ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

演奏家

タンスマン歓迎レセプション

1933年アレクサンドル・タンスマンの来日中、3月22日午後6時から新興作曲家連盟主催の歓迎レセプションが開かれました。新興作曲家連盟とは、作曲家箕作秋吉と小松平五郎の呼び掛けに応じて1930年に結成された作曲家グループで、現在の日本現代音楽協会の前…

幸田延と安藤幸

小説家・幸田露伴の妹、幸田延(こうだ・のぶ、1870-1946)と、その妹、安藤幸(あんどう・こう、1878-1963)の評伝。延は音楽取調掛でピアノとヴァイオリンの指導を受け、19歳でボストンへ、20歳でウィーンへ留学し、ピアノ、ヴァイオリン、和声学、対位法…

三輪郁ピアノリサイタルでトリスタンを聴く

三輪郁さんのピアノリサイタルを聴きました。前半のベートーヴェン3曲もよかったですが、後半のリヒャルト・シュトラウス、特に『薔薇の騎士』のワルツはウィーンの香りたっぷりで堪能しました。そして白眉はワーグナー=リストの「イゾルデの愛の死」! トー…

ガスパール・カサドと原智恵子の展覧会

『原智恵子 伝説のピアニスト』(石川康子著 KKベストセラーズ、2001)を読んだのは2010年のことでした。彼女の資料が玉川学園に寄贈されていることが書かれていましたが、その整理が進んで展覧会がある、というので初日の今日見学してきました。夫のチェリ…

高橋アキ ピアノリサイタル2016

第28回演奏会で共演した高橋アキさんのリサイタル。定番のサティとシューベルト、委嘱新作、初演曲など多彩なプログラムです。 高橋アキ ピアノリサイタル2016 ーサティ+シューベルト×現在ー 5月23日(月)19:00 東京文化会館小ホール—Program— エリック・…

高橋アキさんのエントリー

ピアニスト・高橋アキさんが登場した本ブログの主なエントリーをまとめてみました。 高橋アキの語る演奏会企画http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20160210/1455111907 高橋アキと作曲家たちhttp://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20160201/1454311416 高…

高橋アキの語る演奏会企画

高橋アキさんの『パルランド:私のピアノ人生』には、演奏会企画についての一文がありました。現代音楽の演奏家として何十年も種々の演奏会に関わってこられただけに、ずっしりと胸に響きます。 仕事の周辺 6 プロジェクト 良い演奏家はたくさんいるし、良い…

菅原明朗の語るガエタノ・コメリ

ピッツェッティ『交響曲イ調』の初演を指揮したのは、イタリア人指揮者ガエタノ・コメリ(Gaetano Comelli, 1894-1977)でした。ミラノ出身のコメリは1927年に来日し、宮内省楽部の教師となりました。宮内省楽部の伶人(れいじん=雅楽の演奏家)は、諸外国…

高橋アキと作曲家たち

高橋アキ『パルランド:私のピアノ人生』には多くの作曲家との交流が記されています。目次に出ている名前の外にも、本文中にある作曲家をいくつかピックアップしました。 「Part2 (2) ドロップ・サウンドの快感」より …芸高のソルフェージュの授業に宅孝二先…

高橋アキの弾く早坂文雄

早坂文雄(1914-1955)のピアノ作品を高橋アキさんの演奏で収めたCD。アキさんはこの中の17曲からなる『ピアノ小品集』について、次のように語っています。 早坂文雄の《室内のためのピアノ小品集》というのがあって、全音から楽譜が出てますが、まだ彼が二…

高橋アキ『パルランド:私のピアノ人生』

ピアニスト・高橋アキが40年近くにわたって音楽雑誌等に書いてきた文章と、2012年に行われた4回のインタビューをまとめた本。全体を7つのテーマに分け、それぞれインタビューと著作を配している。現代音楽を演奏するようになった足跡、各国の作曲家たちとの…

〈現代の音楽展2016〉「高橋アキを迎えて」

菅原明朗『ピアノ協奏曲』のソリスト高橋アキさんのコンサートです。 〈現代の音楽展2016〉「高橋アキを迎えて」 2016年2月6日〜7日 東京オペラシティ リサイタルホール http://www.jscm.net/?p=3501 ■第1日:2016年2月6日(土)14:00開演 [高橋アキ・公開レ…

菅原明朗と荻野綾子(3)

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』の中に、荻野綾子との仕事について書かれている箇所がありました。1930年11月の演奏会の半年前の記事です。 『祭典物語』がフランスへ航海している自分に野村が私に新しい仕事を作ってくれた。荻野綾子氏のために歌を書け…

菅原明朗と荻野綾子(附録)

(1)で掲載した1930年11月3日の演奏会のプログラムですが、あと2曲あるのを見落していましたので、(1)のエントリーを改訂しておきました。追加した2曲は、山田耕筰作曲『芥子粒夫人(ポストマニ)』と、菅原明朗作曲『内燃機関』です。この日のメインは…

菅原明朗と荻野綾子(2)

荻野(太田)綾子は2回目のパリ滞在から帰国後も、演奏会や放送で菅原明朗の曲を歌っています。N響ライブラリーから1935年のプログラムをご紹介します。 太田綾子独唱 日本歌曲新作演奏会 1935年6月3日(月)19:00 日本青年館 管弦楽 新交響楽団 プログラム …

菅原明朗と荻野綾子(1)改訂版

作曲家菅原明朗(1897-1988)の年譜を見ていると、荻野綾子(1898-1944)の名前が何回もでてくるのがわかります。最初は1930年11月の「菅原明朗・伊藤昇作品発表会」でした。この年33歳の菅原は帝国音楽学校作曲科主任教授となり、4月には箕作秋吉らと「新興…

ヴァイオリニスト小林三吾

『蟹工船』の作者小林多喜二(1903-1933)の話が今日の新聞に載っていた。小樽高等商業学校を出て北海道拓殖銀行に就職した多喜二は、初給料で弟の三吾のためにヴァイオリンを買ったという。 ・・・大正末期はバイオリンが流行した時代である。あるとき、米…

キング・クリムゾン

本日3月31日日経新聞文化欄の右上のアートは、イラストレーター宇野亜喜良「Rockジャケットアート十選」の5回目で、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」(1969年、アイランド・レコード)のジャケットがとり上げられています。昨日までは目に…

木村重雄の語るアマチュアオーケストラ新交響楽団

木村重雄『現代日本のオーケストラ』の索引には、N響の前身「新交響楽団」と並んで、アマチュアオーケストラ「新交響楽団」も登場します。あげられている7ヵ所の概要をメモしておきます。 1976年:「日本の交響作品展:昭和8〜18年」と題した創立10周年記…

木村重雄の語る1958年の日本のオーケストラ界

いよいよ1958年です。木村重雄『現代日本のオーケストラ』の「1958年」の項目に書かれていることを、箇条書きにまとめてみました。 日本で最初の「国際フェスティバル」が大阪で開催。 レニングラード・国立フィルハーモニー交響楽団が初来日し、ロストロポ…

小宮多美江氏の語る1957年の日本の音楽界

ここでちょっと視点を変えて、小宮多美江『受容史ではない近現代日本の音楽史』にあげられていた1957年のキーポイントを載せておきます。 東京交響楽団の日本人作品演奏シリーズで、安部幸明「交響曲第1番」、武満徹「弦楽のためのレクイエム」初演。 日本フ…

木村重雄の語る1957年の日本のオーケストラ界

昨日から27回演奏会の練習が始まりました。1958年にいよいよ挑戦です。ところで、前年1957年はどんな年だったのでしょうか。木村重雄『現代日本のオーケストラ』の「1957年」の項目に書かれていることを、箇条書きにまとめてみました。 カラヤン率いるベルリ…

木村重雄の語る現代日本のオーケストラの歩み

木村重雄『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』では、日本の「オーケストラの歩み」を5つの時期に区分していました。そこで各時期冒頭にまとめられていた文章を、箇条書きに編集してみました。 1:1927年-1945年8月(p79) ・前期(1927年-1936年6月)は新…

2014-11-02の練習日記、あるいは松本ゆり子さん

今日は安部幸明『セレナーデ』の5曲目「夜想曲(Nocturn)」、チェロの“独り言”(Soliloquy)で松本ゆり子さんの独奏をたっぷり聴かせていただきました。終わって指揮者からも楽員からも拍手喝采。チェロ弾きだった作曲者の思いのたっぷりこめられた曲をどう…

オーケストラ・リベラ・クラシカ第34回定期演奏会

鈴木秀美マエストロの演奏会です。 オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)第34回定期演奏会 2014年10月18日(土)15:00開演 上野学園石橋メモリアルホール 出演 鈴木秀美(指揮) 上尾直毅(フォルテピアノ独奏) オーケストラ・リベラ・クラシカ(管弦楽)曲目 ♪モ…

高橋アキさんが朝日現代音楽賞受賞

その年の現代音楽演奏に優れた業績を示した演奏家に授与される朝日現代音楽賞に、ピアニスト高橋アキさんが選ばれました。おめでとうございます。高橋アキさんは先日のニッポニカ25回演奏会プログラムに、ご自身とチェレプニン子息との交流をご寄稿くださっ…

パリ〜荻野綾子〜プロコフィエフ

荻野綾子がチェレプニンの演奏を聴いたかどうかはわかりませんが、プロコフィエフの演奏を聴いた記録はあります。またプロコフィエフも荻野綾子の歌を聴いています。 チェレプニンより8歳年長のプロコフィエフ(1891-1953)はペテルブルグ音楽院で学び、ロシ…

チェレプニン〜パリ〜荻野綾子

A.チェレプニンがグルジアからパリに移ったのは1921年のこと。彼はパリを拠点にヨーロッパ各地で、又アメリカで演奏活動と作曲を続けていました。第一交響曲は1927年の作曲です。1920年代のパリがどんなところだったか、藤田嗣治の本に書かれていたのを思い…

『市民のオルガン:小船幸次郎と横浜交響楽団』

チェレプニンを調べていたら、『市民のオルガン:小船幸次郎と横浜交響楽団』という本に行き当たりました。2007年にでたこの本、我が家の本棚にも1冊鎮座していました。600ページ近い立派な装丁のこの本の第1章に、1930年代に来日したチェレプニンについて7…

東京芸大図書館「荻野文庫」

山田一雄自筆譜展のカタログに載っていた、「荻野文庫」の紹介記事からの抜粋です。 「荻野文庫」について [前略] 「荻野文庫」は2007年になって本学図書館から「発見」されたもの。戦前の一時期、東京音楽学校教授を務めた太田太郎(1900-1945)の蔵書に含…