ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コクトーのサティ論

ジャン・コクトー(Jean Cocteau, 1889-1963)の著した「エリック・サティ」論4本をまとめたもの。原文の初出は1910年代で、佐藤朔と坂口安吾は1930年前後に翻訳している。 エリック・サティ / ジャン・コクトー ; 坂口安吾, 佐藤朔訳 東京 : 深夜叢書社, 19…

「エリック・サティとその時代展」図録

2015年に開催されたサティ展の図録。バレエ『パラード』に関する資料もいろいろ展示されたそうです。 エリック・サティとその時代展 [東京] : アートインプレッション, c2015 171p : 挿図 ; 26cm + 録音ディスク1枚 (ディジタル, ステレオ) 並列書名: Erik S…

秋山邦晴『エリック・サティ覚え書』

中学生だった1942年頃からサティに親しんでいた秋山邦晴(1929-1996)が、長年にわたり書き綴ってきたサティに関する文章や蒐集資料をまとめたもの。「1」は雑誌掲載のサティ論5本の再録と、サティの生涯をたどって書き下ろした「エリック・サティ、人と作…

秋山邦晴追悼演奏会「本日休演・秋山邦晴」

『ベルク年報』第9号に載っている、秋山邦晴追悼演奏会の記録です。演奏会はサテイに因み「本日休演・秋山邦晴」と題されていました。 ■秋山邦晴追悼演奏会 1997年8月17日 神奈川県立音楽堂 プログラム 前奏曲 湯浅譲二 Cosmos Haptic No.3 Kokuh(内触覚的…

ベルク年報第9号「秋山邦晴特集」

書誌事項 ベルク年報. 第9号 / 日本アルバン・ベルク協会編 東京 : 日本アルバン・ベルク協会, 2002 133p ; 26cm 目次(特集のみ、太字は秋山著作) 秋山邦晴の活動 / 石田一志 …5 文献解題 / 石田一志 …11 未来派 / 秋山邦晴 …15 ハンス・リヒター―あるいは…

イントナルモーリとマドロスと秋山邦晴

イントナルモーリ(intonarumori)とは、イタリアの画家・作曲家ルイージ・ルッソロ(Luigi Russolo, 1885-1947)が1913年に発明した、騒音楽器です。名称はイタリア語の「調律」(sintonia)と「騒音」(rumore)の合成語らしいです。秋山邦晴は著書『現代…

追悼・秋山邦晴さん

第32回演奏会でとりあげる秋山邦晴さんは、1929年東京に生れ、1996年に亡くなられました。翌1997年始めにヴィオラの奥平さんが書かれた追悼文がありますので、ご紹介します。【】の数字は編集子による注です。 秋山邦晴さんのこと 新響ヴィオラ奏者 奥平 一 …

秋山邦晴とCIE図書館

秋山邦晴の年譜には、早稲田の学生だった1950年ごろから、「日比谷にあったCIE(アメリカ情報教育局)でレコード・コンサートを開き、構成・解説をして当時のアメリカの音楽やメシアンなどのヨーロッパ現代音楽を紹介」とあります。このCIEとは、1945年から5…

新交響楽団第134回演奏会(演奏会プログラム)

フランシス・トラヴィス氏を指揮者に迎えた2回目の演奏会。ヴォツェックの3つの断章の初演指揮者ヘルマン・シェルヒェン(Hermann Scherchen, 1892-1966)は、トラヴィス氏の師に当たる。 ◆書誌データ 新交響楽団第134回演奏会 新交響楽団, 1992.1.19 [12]p ;…

CD『実験工房の音楽』

1996年6月13日浜離宮朝日ホールでの演奏会「再現・1950年代の冒険:実験工房コンサート」のライブ録音CD。この演奏会は同年に開催された「1953年ライトアップ―新しい戦後美術像が見えてきた」展の関連行事。 Music from Experimental Workshop Tokyo : Fonte…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その4:各楽章の内容

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』の各楽章の初めには、米窪太刀雄著『マドロスの悲哀』からの文章が、下記の通り引用されています。楽章ごとに内容と背景を挙げておきます。 ■第1楽章「自然的墓地」 六連(むつれ)から済州島、隠岐、松島、釜山を連ぬる圏…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その3:『マドロスの悲哀』

『海のロマンス』で一躍海運関係者に評判となった米窪太刀雄(満亮)ですが、次作『船と人』の出版により、日本郵船はじめ大手船会社から忌諱されてしまいました。そして1914年商船学校を卒業後は、松昌洋行という小さな船会社に就職しました。間もなく船長…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その2:『船と人』

米窪太刀雄(満亮)は『海のロマンス』の次に『マドロスの悲哀』を書いたと思ったら、その前に『船と人』という著作がある事がわかりました。この本も先日古書店から入手しましたので、概要をご紹介します。 米窪は『海のロマンス』出版の翌月にあたる1914年…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その1:『海のロマンス』

第32回演奏会でとり上げる伊藤昇作曲『マドロスの悲哀への感覚』のスコアには、タイトルの後ろに「Yonekubo Tachioの作品に拠る」という言葉がフランス語で書かれています。2005年にこの曲を演奏した際、米窪太刀雄という人が書いた『マドロスの悲哀』という…

『実験工房と瀧口修造』展図録

実験工房の全容を本格的に紹介した展覧会の図録。展示は瀧口修造の活動を紹介するシリーズの第11回として、銀座の佐谷画廊により企画された。図録は実験工房のメンバーである山口勝弘(美術)と秋山邦晴(音楽評論)が監修し、論考を寄せている。巻頭には実…

オマージュ瀧口修造展

佐谷画廊代表の佐谷和彦(1928-2008)が、1981年から2006年まで28回にわたって開催した展覧会。詩人、美術評論家の瀧口修造(1903-1979)の月命日である7月に、1999年までは銀座の佐谷画廊で、2000年に銀座から荻窪に移ってからは各地の会場で開催された。毎…