ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

近代音楽館文庫一覧をリンクに追加しました

ブログに以前掲載した「日本近代音楽館所蔵「文庫・コレクション」一覧」のページに、リンクを設定しました。ある作曲家のコレクションが近代音楽館にあるかどうか確認する際に便利です。右下のリンク集をご利用ください。

大木惇夫『緑地ありや』第6章

言はむ術(すべ)もあらじ、 ただに泪おちぬ、 青き空を指して 道を尽くしたれば 雪と岩と茨 傷み 歎き越えて 到りがたき極み、 山よ、山よ、山よ。 ― 断道 上京した大木は小さな出版社で雑誌編集の仕事に就き、夜は正則英語学校で英語を学びました。取材で…

大木惇夫『緑地ありや』第5章

徴兵検査も済んで(近眼のため丙種不合格)大人というものになった21歳の大木宛に、恵子から弁護士の夫との愛のない生活と大木への思いを綴った2通目の手紙が届きました。大木は恋愛に絶望し、文学の夢も封鎖され、友人の心中騒ぎに巻き込まれて借金取りに悩…

本名マエストロは一旦ハノイへ

本名マエストロはこの後一旦ハノイに帰国され、一ヵ月後にまた来日の予定です。そういえばちょうど一年前にベトナムを訪問したことを思い出しました。それはVNSO(ヴェトナム国立交響楽団)の演奏旅行の追っかけツアーで、ハノイからホーチミン市を経てメコ…

2010-06-27の練習日記

深井史郎『平和への祈り』を最初からみっちりやりました。指揮者もオーケストラも前回2007年の公演を経ているので、テンポや音楽の作り方が一段と練れてきた感じがしました。楽器も本番同様にかなり揃ってきたので、アンサンブルにも熱がはいります。第1楽章…

2010-06-27の予定

指揮:本名マエストロ 場所:T-West(要譜面台) 時間割: 18:00-21:30 平和への祈り (16:00よりMeeting)

2010-06-26の練習日記

昨日は本名マエストロ登場とともに、コンサートマスターの高木和弘さんもお見えになりました。最初は深井史郎『大陸の歌』の第4楽章、いきなりサティの世界です。深井史郎がしてやったりという顔でニコニコしているのが思い浮かびます。高木さんは譜面にたく…

演奏会一覧をリンク集に入れました

日本人作品の演奏会をまとめた下記エントリーを、ブログ右下のリンク集に入れましたのでご利用ください。・ニッポニカの演奏会と取り上げた日本人作曲家一覧 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100428/1272454442・芥川没後の新響邦人作品演奏会 http:…

ホルンのケース

トランペットはずいぶん個性的なケースでしたが、ホルンだって負けてはいません。リュックの背中に楽器のマーク付、マスコットも付いています。このほかの方も、色とりどりのケースで、紫色のおしゃれなケースもありました。

2010-06-26の予定

いよいよマエストロの登場です! 指揮:本名マエストロ 場所:G-Plaza(譜面台すこしあり) 時間割: 18:15-19:45 大陸の歌 20:00-21:30 寒帯林

『伊福部昭文化功労者顕彰お祝いコンサート』(演奏会プログラム)

ニッポニカで伊福部作品を最初にやったのは、先生の文化功労者顕彰のお祝いコンサートでした。コンサートの前半は室内楽、後半が交響作品でした。後半の最初の『伊福部昭のモチーフによる「讃」』は、1988年2月27日にサントリーホール小ホールで行われた「伊…

大木惇夫『緑地ありや』第4章

18歳になって商業学校を卒業した大木は三十四銀行広島支店に就職しました。文学サークルの同級生の多くは文壇に主流的な勢いを占めている早稲田大学へ入っていきました。単調な銀行の仕事でしたが、宿直の夜には田山花袋『田舎教師』、ショーペンハウエル『…

ニッポニカの記事が公明新聞に掲載

先週6月16日(水)の『公明新聞』第5面に、ニッポニカの記事が写真入りで掲載されました。事務局長の執筆で、ニッポニカの活動と日本近代音楽館の存在意義について述べたものです。

大木惇夫『緑地ありや』第3章

ある日恵子から大木は写真掛けを贈られますが、そこには忘れな草(Forget me not)の青い花が刺繍されていました。英語のレッスンは中止となり、恵子は親の意向で結婚してアメリカへ行くことになったことを告げます。そして「きっと帰ってくるから」と言い残…

伊福部昭『寒帯林』

今日のうちあわせでも、『寒帯林』がいいねという話でまた盛り上がりました。あれは伊福部先生の田園交響楽だね、ということで意見が一致しました。楽譜に書かれているテンポはかなりゆっくりめですが、それがまたなんともいえない魅力をかもしだしています…

『菅原明朗とその周辺 : オーケストラ・ニッポニカ第4回演奏会』(演奏会プログラム)

2004年に開催し、菅原明朗(1897-1988)・深井史郎(1907-1959)・伊藤昇(1903-1993)をとりあげた演奏会のプログラムです。そういえば深井史郎『平和への祈り』には、菅原明朗の音楽も感じられます。またこのとき演奏した深井史郎『架空のバレエのための三楽章』…

伊藤昇『二つの抒情曲』

大木惇夫の本を読んでいたら、北原白秋と三木露風がでてきました。この二人の名前をみたら、伊藤昇作曲『二つの抒情曲』のことを思い出しました。この曲は『黄昏の単調』と『陰影』からなっており、前者は三木露風(1889-1964)の詩から、後者は北原白秋(1885-…

コミックの伊福部昭

息子が読んでいたコミックを持ってきて、「ほらここに伊福部昭って出てくるよ!」それは『アオイホノオ』(小学館、2010)という島本和彦作の第4巻55ページ。アニメのBGMが何の曲か、という場面で、 A:それでその…あのチャッチャカチャッチャカいう曲…… B:え…

2010-06-19の練習日記

弦楽器と管楽器に分かれての練習でした。隣の某ビオリストは「後ろにブブゼラ…じゃなかった、金管楽器がいないので逆に弾けてないのがよくわかってしまうに違いない。」とつぶやいていました。最初に『大陸の歌』の第3楽章をやり、次に『平和への祈り』の第3…

2010-06-19の予定

場所:S-Village(譜面台ほんのすこしあり) 弦分奏:Studio No.4 管分奏:Studio No.6 時間割:18:00-21:30

大木惇夫『緑地ありや』第2章

大木は恵子の家を何度か訪ねるうち、父親は松江で事業をしていて不在なこと、寝たきりの祖父や身体の弱い母親、小さい弟妹たちの様子がわかってきます。そして頻繁な手紙のやり取り、外で待ちあわせての初めての接吻。 人を待つ夜のひとときは 風のそよぎか…

渡邉曉雄音楽基金音楽賞・特別賞受賞者一覧

回次(年度) 音楽賞 特別賞 1(1993) 大野和士 延命千之助 2(1994) 広上淳一 村川千秋 3(1995) 該当者なし 小川昂、鈴木清三、田中諄 4(1996) 高関 健 該当者なし 5(1997) 該当者なし 佐治敬三 6(1998) 金 洪才 石丸 寛 7(1999) 沼尻竜典 松原千代繁 8(2000) …

日本近代音楽館が渡邉曉雄音楽基金特別賞受賞

このたび日本近代音楽館が、オーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている「渡邉曉雄音楽基金特別賞」を受賞し、本日授賞式がありました。この賞は、日本指揮界の重鎮、故・渡邉曉雄先生(1919-1990)の日本音楽文化に残した多大な業績を積極的な形で今…

大木惇夫『緑地ありや』第1章

大木惇夫(おおき・あつお、1895-1977)の自伝小説『緑地ありや』(大日本雄弁会講談社、1957)は、雑誌に13回にわたり連載されたものです。その内容をすこしずつご紹介します。大木惇夫(作中では薫一)は明治時代末期に広島に生まれました。両親と5人の弟妹の…

大木惇夫『緑地ありや』を読んでいます

深井史郎『平和への祈り』の詩を書いた大木惇夫(おおき・あつお、1895-1977)の自伝小説『緑地ありや』(講談社、1957)を入手しました。これは1933年頃までの前半生が自作の詩と共に書かれており、雑誌『婦人画報』の連載を本にしたものです。この本のタイトル…