ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

木村重雄の語る現代日本のオーケストラの歩み

 木村重雄『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』では、日本の「オーケストラの歩み」を5つの時期に区分していました。そこで各時期冒頭にまとめられていた文章を、箇条書きに編集してみました。

1:1927年-1945年8月(p79)
・前期(1927年-1936年6月)は新交響楽団定期演奏会を発足させ、近衛秀麿を中心に一応の基礎づくりを終えた時期。
・後期(1936年7月-1945年8月)は新交響楽団(1942年日本交響楽団と改称)がローゼンシュトックにより戦時体制下でありながら技術面の向上とレパートリーの拡充を果たし、日本の音楽全体の推進力としての役割を務めた時期。創作も含め多才な動きが現れ、西欧から一方的に吸収するだけでなく、日本人作品が海外で評価されてきた。

2:1945年9月-1950年(p137)
・戦争終了後の社会的に不安定な時期で、オーケストラの楽員、経営者、聴衆いずれも新しい方向を探りながら、ひたすら努力していた。

3:1951年-1960年(p157)
・占領期が終わり、朝鮮戦争(1950-51)も休戦。国際現代音楽協会の「国際現代音楽祭」に日本人作品が相次ぎ入賞。同時代作品の紹介も活発化し、来日演奏家も増えた。
・1951年日本交響楽団NHK交響楽団と改称、東宝交響楽団は東京交響楽団に改組。1956年日本フィルハーモニー交響楽団発足。

4:1961年-1971年(p217)
・高度経済成長と重なるようにオーケストラの定期演奏会が増加。1964年東京オリンピック、1970年大阪万国博開催。
・1963年読売日本交響楽団、1967年東京都交響楽団発足。1963年N響小澤事件、サヴァリッシュはじめ名誉指揮者制度実施。東響は1965年再発足。外来オーケストラも増加。

5:1972年-1982年(p295)
・1972年日フィルが自主運営となり、新たに新日フィルが発足。
NHKホール開場、N響名誉指揮者にスウィトナーホルスト・シュタイン
都響常任に渡邊暁雄、東フィル常任に尾高忠明
・日本のオーケストラ全体の諸問題に対処し、交響楽運動発展のため1973年日本交響楽振興財団が発足。

木村重雄『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20150104/1420335928

国際現代音楽協会(ISCM) http://www.jscm.net/?page_id=32