ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

幸田延と安藤幸

 小説家・幸田露伴の妹、幸田延(こうだ・のぶ、1870-1946)と、その妹、安藤幸(あんどう・こう、1878-1963)の評伝。延は音楽取調掛でピアノとヴァイオリンの指導を受け、19歳でボストンへ、20歳でウィーンへ留学し、ピアノ、ヴァイオリン、和声学、対位法、作曲法を学ぶ。25歳で帰国し、東京音楽学校の教授となる。演奏や作曲でも活躍するが、38歳の時予期せぬバッシングにあい休職、在野でピアノの個人教授を始める。私邸に音楽堂を建て演奏会も開催し、内外の音楽家と交流。67歳の時女性で初めて帝国芸術院会員に推される。76歳で没。
 一方で8歳年下の幸も東京音楽学校に学び、21歳でベルリンへ留学、25歳で帰国し同じく東京音楽学校の教授となる。幸は英文学者の安藤勝一郎と結婚し、四男一女に恵まれると共に、多くのヴァイオリニストを育てる。64歳の時音楽学校の職を思いがけず失うが、弟子の指導を続け、80歳の時女性で初めて文化功労者に選ばれる。84歳で没。

幸田姉妹:洋楽黎明期を支えた幸田延と安藤幸 / 萩谷由喜子
 ショパン、2003
 290p ; 19cm
目次:
プロローグ …25
第1章 黎明 …33
第2章 洋楽事始め …55
第3章 延の留学 …83
第4章 幸の留学 …111
第5章 遠距離結婚のはしり …143
第6章 バッシング …161
第7章 在野の音楽家として …183
第8章 非礼 …227
第9章 生涯ヴァイオリンとともに …253
あとがき …287

主な登場人物 …18
幸田家・安藤家 系図 …21
幸田延・安藤幸 関係年譜 …268
幸田延作品リスト …282
主要参考文献 …284