ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

CD『小杉太一郎の純音楽 II』

作曲家小杉太一郎(1927-1976)の純音楽2作品を収録したCDが、Salidaから発売となりました。ニッポニカが演奏に参加したCDの内容は次の通りです。 小杉太一郎の純音楽 II Salida DESL-010 2017.11.30 平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加 曲目: ■交響楽(…

実験工房による『綾の鼓』

三島由紀夫は能の『綾鼓』を題材にした戯曲『綾の鼓』を1951年に作り、これは1952年に初演されました。秋山邦晴らの実験工房では1955年にこの作品を上演しています。音楽は湯浅譲二でした。佐谷画廊の図録には、同時に上演されたシェーンベルクの『月に憑か…

『綾鼓』の変容

能の『綾鼓』は更に多くの文学作品を生んでいます。戦前1922年には能楽研究者・野上豊一郎の妻で作家の野上弥生子が、舞台を古代メソポタミアに移した戯曲『綾の鼓』を書いています。ここで鼓を打つのは老人でなく若い羊飼いです。また戦後1957年には有吉佐…

三島由紀夫『綾の鼓』と山崎正和『世阿弥』

能の『綾鼓(あやのつづみ)』について調べて行くと、このテーマに因んだ文学作品がいろいろ作られていることがわかりました。そのひとつが三島由紀夫の戯曲『綾の鼓』です。舞台を現代に移した作品のあらすじを載せておきます。 また小杉太一郎『綾の太鼓』…

能『綾鼓(あやのつづみ)』

小杉作品リハーサルの会場で「綾の太鼓の綾って何ですか」と聞かれました。綾は綾織の布のことで、要するに皮のかわりに布をはった太鼓で、音がでるわけがないのであります。 ところで「綾の太鼓」の台本の最初には、「狂言方出て、能の「綾の鼓」の「間狂言…

『綾の太鼓』台本

ニッポニカが演奏したCD『小杉太一郎の純音楽II』が、このたびSalidaから発売されることになりました。収録されるのは小杉太一郎(1927-1976)作曲の『交響楽』(1953)と『綾の太鼓』(1963)ですが、録音に際して『綾の太鼓』に関する資料をいろいろと渉猟…

ニッポニカ第32回演奏会関連情報

第32回演奏会に関係する情報をランダムにブログにだしてきましたが、人物ごとに一覧にしました。 ■秋山邦晴関係 追悼・秋山邦晴さん http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20171018/ 秋山邦晴とCIE図書館 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20171017/ …

早坂文雄『管弦楽のための変容』関連情報

早坂文雄の『管弦楽のための変容』は1953年の作品ですが、初演が延期されたまま埋もれていました。1970年代になって秋山邦晴が発見し、1979年に初演されました。初演に参加したメンバーも何人か今回の舞台に乗ります。 ■タイトルと楽器編成 スコアから抜粋で…

湯浅譲二『ピアノ・コンチェルティーノ』関連情報

■タイトルと楽器編成 スコア(全音、2002)からの抜粋です。 ピアノ・コンチェルティーノ / 湯浅譲二 = Piano concertino / Joji Yuasa Instrumentation 2 Flute (=2 Piccolo) 2 Oboe (2° English Horn) 2 Clarinet (2° Bass Clarinet) 2 Bassoon (2° Double…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』関連情報

伊藤作品の楽譜は、東京音楽大学付属図書館ニッポニカ・アーカイヴ・コレクションのものを使用しています。 ■タイトルと楽器編成 スコアから抜粋です。 マドロスの悲哀への感覚 : 米窪太刀雄の作品に拠る / 伊藤昇 La tristesse du matelot : à cause de l'o…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』その2

芥川也寸志(1925-1989)が没した翌年に出版された『芥川也寸志:その芸術と行動』では、武満徹と秋山邦晴が『太平洋ひとりぼっち』に触れています。 ■武満徹の語る『太平洋ひとりぼっち』 武満徹は「芥川也寸志と映画音楽」と題して次のように書いていまし…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』その1

第32回演奏会でとりあげる武満徹の組曲『太平洋ひとりぼっち』は、1963年に公開された日活映画『太平洋ひとりぼっち』の映画音楽から、1996年に編集されたものです。映画のDVDがでていますが、詳細は次の通り。スコアを開いて映画を観ると、組曲では楽器編成…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』関連情報

■楽器編成 武満・芥川作品のスコア(ショット・ミュージック, c1996)からの抜粋です。 オーケストラのための組曲『太平洋ひとりぼっち』 / 武満徹・芥川也寸志 = Alone on the Pacific, suite for orchestra / Toru Takemitsu, Yasushi Akutagawa Instrumen…

サティ『パラード』の「蒸気船のラグタイム」

サティの『パラード』では、見世物小屋の前で演じられる3つの出し物に曲が付けられています。一つ目は「中国の手品師」、二つ目は「アメリカの少女」、そして三つ目は「軽業師」。二つ目の「アメリカの少女」では、「アメリカ」を象徴するものとして「タッ…

サティ『バレエ音楽「パラード」』関連情報

台本がジャン・コクトー、舞台美術と衣裳がピカソ、音楽がサティのバレエからとられた組曲です。 ■タイトルと楽器編成 Dover版スコアから抜粋です。英語 [フランス語](日本語)。★印は、「雑音」として挿入されるものです。 Parade : ballet réaliste sur u…