ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ニッポニカ第24回演奏会プログラム

24回演奏会、おかげさまで無事に終了しました。当日のプログラム冊子の内容です。 野平一郎・歌・フランス:歌手・荻野綾子の追憶に:第24回演奏会 オーケストラ・ニッポニカ, 2013.11.24 11p ; 30cm 注記: 演奏会プログラム ; 日時・会場: 2013年11月24日(…

東京芸大図書館「荻野文庫」

山田一雄自筆譜展のカタログに載っていた、「荻野文庫」の紹介記事からの抜粋です。 「荻野文庫」について [前略] 「荻野文庫」は2007年になって本学図書館から「発見」されたもの。戦前の一時期、東京音楽学校教授を務めた太田太郎(1900-1945)の蔵書に含…

ニッポニカ第24回演奏会プログラムノート

24日の演奏会プログラムノートの見出しとおもなキーワードです。当日配布のプログラム冊子に掲載されるもので、本文はこちらからお読みください。 野平一郎・フランス・歌〜荻野綾子の追憶に〜プログラムノート オーケストラ・ニッポニカ 奥平 一 【荻野綾子…

野村光一〜オネゲル〜芥川也寸志

近衛秀麿編曲『フランス17世紀歌謡集』の初演プログラム(1929)には、日本語の訳詩が載っていて、翻訳者は音楽評論家の野村光一でした。その名前を前に見たことがあると思ったら、なんと芥川也寸志が新作オペラ『暗い鏡』を書くことを決めた特急つばめ号の…

橋本國彦-深尾須磨子『笛吹き女』

『笛吹き女』の歌詞は12章からなるので、パート譜に章の数字付きで歌い出しを書き込みました。曲はゆっくりしたところも軽快なテンポのところもいろいろあって、めくるめくような変化に富んだ作品です。第11章の後に複雑なオーケストレーションのクライマッ…

楽譜整理日誌2013-11-18

ニッポニカの楽譜整理6回目。伊藤昇『シロカニペ ランラン ピシカン』のパート譜を整理しました。この演奏会ではパート譜をスコアから作成したのですが、ピアノパートの譜面がどうもスコアと微妙に違うのです。隣のMさんに聞いたら楽譜作成ソフトのせいでス…

2013-11-16の練習日記、あるいはワーグナー、そしてブラームス

ショーソンの2楽章の終わりの方で、野平先生が金管パートだけ取り出して練習したところ、ワーグナーのリングにそっくり!思わず隣のおじさんビオラと前のお兄さんビオラと3人で顔を見合わせてニッコリしてしまいました。20年前だったら気が付かなかった。ワ…

グレトリー「皆が眠っている時」

近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の4曲目は、グレトリーのオペラから小夜曲(セレナーデ)です。オペラのタイトルは『見せかけのうそ、または嫉妬深い恋人』。この曲だけギターがはいります。 ■グレトリー:「皆が眠っている時」〜オペラ『嫉妬する恋人…

マレ『私が小鳥だったなら』

近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の3曲目はマレの作品です。これはオペラでなく独立した歌曲で、原曲は6連の詩ですが、近衛編曲では第3連と第6連は省かれています。 ■マレ:『私が小鳥だったなら』 (詩:ベランジェ) Marin MARAIS: "Si j'etais petit…

ラモー「アリア」

近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の2曲目はラモーの作品で、青春の女神エベが歌うアリアです。 ■ラモー:オペラ『エベの祭り』プロローグよりアリア (台本:A.G.de モンドルジュ) Jean-Philippe RAMEAU: Air dans le prologue dès “Fêtes d'Hébé” (li…

リュリ「暗い森は陰を濃くして」

近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の最初はリュリの作品です。オペラ『アマディス』はプロローグと5幕からなる作品で、「暗い森は陰を濃くして」は2幕第4場で主人公の騎士アマディスが歌うアリアです。 リュリ:「暗い森は陰を濃くして」〜オペラ『アマ…

『笛吹き女』現代語訳

深尾須磨子の『笛吹き女』は副題に「候調十二章」とあり、格調高い言葉が連なっています。旧仮名旧漢字で今はあまり使わない言い回しもあるので、現代語訳を作ってみました。 深尾須磨子「笛吹き女」 現代語訳 1 笛を吹きます 笛を吹いて悔います 笛を吹い…

2013-11-09の練習日記、あるいはハープ

今日はハープの入る3曲、『笛吹き女』とショーソン『リラの季節』『交響曲』。『交響曲』にはハープが2台はいります。そういえば荻野綾子はフランスで声楽だけでなくハープも学んできています。師はミシュリヌ・カーン(Micheline Kahn, 1889-1987)。最初の…

橋本國彦『笛吹き女』について

1929年の荻野綾子独唱会プログラムの最後に、『笛吹き女』について作曲者の橋本國彦が寄せた言葉が載っていました。橋本國彦25歳。 『笛吹き女』に就て 深尾須磨子氏の詩による「黴」並びに「斑猫」と姉妹曲にして、共に日本としては新らしき試みなる朗読調…

野村光一とあらえびす

荻野綾子独唱会のプログラムには、「訳詩・野村光一」と書かれていました。あら、あらえびすさんはフランス語の翻訳もやるのかしら、と思ったら、早とちりで別人でした。 野村あらえびす(1882・10・15岩手−1963・4・14東京) 日本の音楽評論家。東京大学法…

荻野綾子独唱会プログラム

『笛吹き女』の初演が行われた1929年5月23日の荻野綾子独唱会プログラム冊子は、葉書ほどの大きさで全体が18ページ。冊子のタイトルは「詩抄」となっていて、歌われたフランス歌曲の訳詩と、『笛吹き女』の歌詞が12ページにわたって載っていました。曲目ペー…