ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2021-01-01から1年間の記事一覧

ニジニ・ノヴゴロドの定期市

ニジニ・ノヴゴロドの定期市(1850年代)バラキレフ(1837-1910)の生まれたニジニ・ノヴゴロドは、ロシア西部を流れるヨーロッパ最長のヴォルガ川に、その支流オカ川が合流する地点にあり、ヴォルガ川最大の港があります。水運・陸運の要として商工業が栄え…

バラキレフが通ったカザン大学数学科

カザン大学(1928年以前)古い貴族の末裔である父親を持つバラキレフは、10歳の時母親に連れられモスクワでデュビュークのピアノレッスンを受けました。その後母親を亡くし、中学校はアレクサンドロフ寄宿学校にはいります。そしてピアノはアイスリッヒに師…

バラキレフの音楽の師たち

20世紀末のソ連の地図ミリイ・バラキレフは1837年の生まれ、ワーグナーの妻コジマや徳川慶喜と同じ年です。生まれたのはモスクワの400kmほど東にあるニジニ・ノヴゴロドで、この街はロシア第5の商工業都市だそうです。立派な劇場の写真があります(https://w…

オーケストラ・ニッポニカ第39回演奏会

ニッポニカ39回演奏会オーケストラ・ニッポニカ第39回演奏会 ≪チェレプニン伝説 ~ローカリティーの追求~≫ 2022年2月13日(日)14:30開演 紀尾井ホール 伊福部昭:日本狂詩曲(1935) 伊福部昭:土俗的三連画 (1937) M.バラキレフ:交響曲第1番(1897) 指…

クラシックの迷宮で山田一雄を聴く

片山杜秀さん解説のNHK-FM「クラシックの迷宮」、昨日は山田一雄(1912-1991)特集でした。この第九を指揮したのは30歳の時。そして第4楽章はなんと日本語による歌唱。日本語詞はバス歌手の矢田部勁吉とありました。歌い手だけに、単なる訳詞でなく、旋律に…

松村禎三とキリスト教

『松村禎三作曲家の言葉』(春秋社 2012) 作曲家松村禎三とキリスト教との関わりについて、『松村禎三作曲家の言葉』(春秋社 2012)から追ってみました。オペラ『沈黙』(1993)と『ゲッセマネの夜に』(2002/2005)については前に書いたので、それ以外の…

遠藤周作『名画・イエス巡礼』を読む

遠藤周作『名画・イエス巡礼』文藝春秋、1981ニッポニカ第38回で演奏する松村禎三『ゲッセマネの夜』。ゲッセマネはイエスがユダの裏切りにより捉えられた場所です。仏教やヒンドゥー教に親しんでいた松村が、キリスト教のこの題材で作曲するに至ったのはど…

松村禎三の著作を読む【2】

「作曲に臨む態度」 俳句との出会い。高浜虚子の次男である作曲家池内友次郎先生に師事し、結核の療養所に入るときに「俳句でもやったらどうか」と勧められた。療養所では療養俳句というのが盛んで、同好の士と俳句誌に投稿するようになった。俳人の秋元不死…

松村禎三の著作を読む【1】

ニッポニカ第38回演奏会でとりあげる作曲家、松村禎三(1929-2007)の語る世界をたどってみます。 「わが作曲語法」 1929年京都の商家に生まれたこと。仏教徒の家。10歳で父が亡くなり、クラシックのレコードを聴き、レコードコンサートでベートーベンの第5…

ニッポニカ第38回演奏会「松村禎三交響作品展」

オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 2021年7月18日(日)14:30開演 紀尾井ホール 松村禎三:ピアノ協奏曲第1番(1973)* 松村禎三:ゲッセマネの夜に(2002/2005) 松村禎三:交響曲第1番(1965) 指揮:野平一郎 ピ…

第37回演奏会評

『音楽の友』2021年5月号ニッポニカ第37回演奏会「1964年前後・東京オリンピックの時代」の演奏会評が、次の通り掲載されました。有難いことです。 オーケストラ・ニッポニカ第37回演奏会/戸ノ下達也〔Mercure des Arts (メルキュール デザール)〕2021.4.15…

「100年目の12音音楽」を聴く

クラシックの迷宮「100年目の12音音楽」片山杜秀さんのNHK-FM「クラシックの迷宮」、昨日は「100年目の12音音楽」と題し、12音音楽を確立したシェーンベルクの音楽が取り上げられました。彼が最初に12音音楽のアイデアを表明したのが1921年だという逸話が紹…

作曲家・入野義朗

入野義朗書誌と没後20周年コンサートのプログラム第37回演奏会でとりあげる入野義朗関連のブログ記事をまとめておきます。入野は日本における12音音楽の導入者として知られていますが、その経歴をたどってみると、自身の創作活動に留まらず、音楽関係イベン…