ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

作品

タンスマン作曲ピアノ作品一覧

タンスマン協会サイトに掲載されている、音楽学者Gérald Hugon氏編纂の詳細な作品目録の「ピアノ作品」から作成。オリジナルの一覧はタイトルABC順なので、作曲年順に並べ替え、タイトル日本語訳を追加した。備考欄の★印は管弦楽版がある作品。オリジナルに…

タンスマン『古い様式の組曲』

第35回演奏会では松平頼則『ピアノと管弦楽のための主題と変奏』のソロを弾かれた秋山友貴さんが、アンコールにタンスマンの『古い様式の組曲』から第2曲『サラバンド』を演奏されました。典雅な響きに会場の全員が耳を傾けたものです。 タンスマン協会のサ…

タンスマンの世界演奏旅行

Tansman 「Le Tour du monde en miniature (1933)」1933年に来日したタンスマンは、世界をめぐる演奏旅行の途中でした。全体の旅程を知りたいと思いましたが、資料が見つかりませんでした。ところが今日タンスマン協会サイトの作品目録を眺めていたところ、…

『ニホンザル・スキトオリメ』あれこれ

スキトオリメ‐Violaオペラ『ニホンザル・スキトオリメ』のリハーサルが続いています。台本を何度も繰り返し読んでみると、当初は「核爆発」とか御真影を想起させる「肖像画」などに気をとられていたのですが、だんだんこれは「死と再生」の物語なのだな、と…

池内友次郎『交響的二楽章』

■楽器編成 piccolo, 3 flutes (3rd:pic持替), 2 oboes, cor-anglais, 2 clarinets, bass-clarinet, 2 bassoons, contra-bassoon, 4 horns, 3 trumpets, 3 trombones, tuba, timpani, bass drum, cymbal, triangle, tam-tam, 弦楽5部 ■初演 放送初演: 1951年…

池内友次郎『交響的二楽章』再演の演奏会

池内友次郎『交響的二楽章』はNHK委嘱作品で、1951年11月4日に放送初演されています。その後の演奏歴は不明ですが、2007年に東京藝術大学で再演された記録があります。当日配布のプログラム冊子の概要は次の通りです。 創造の杜'07 藝大現代音楽の夕べ The m…

CD「池内友次郎の音楽とその流派」

1969年に録音され当時LPレコードで出た「池内友次郎の音楽とその流派」が、2001年にキングレコードからCDで再発売されました。それを2011年にタワーレコードが再々発売した3枚組CDが手元にあります。池内友次郎と彼に連なる10人の作曲家、小倉朗、貴島清彦、…

大澤壽人の作品

片山杜秀さん解説の「クラシックの迷宮」、3月最初は大澤寿人の特集でした。『ピアノ協奏曲第3番』は野平一郎のピアノ独奏によりニッポニカで2回も演奏しているのでなじみがありましたが、その後の3曲はどれも大澤の豊かな音楽性を彷彿とさせる作品で、…

ヴェレシュ『交響曲第1番』の演奏会

紀元二千六百年奉祝演奏会で演奏された4曲のうち、ヴェレシュ・シャーンドル(Veress Sándor, 1907-1992)の作品が60年後の2000年に再演されています。日本ハンガリー友好協会主催のハンガリー・フェスティバルの一環として開催された演奏会の、チラシの概…

『マドロスの悲哀』の謎解き

伊藤昇作曲『マドロスの悲哀への感覚』は、米窪太刀雄著『マドロスの悲哀』を題材に作曲されています。伊藤昇がとり上げたのは航海中の様々なエピソードであって、船員の待遇の悪さではないことは、既にお知らせしたとおりです。ではどうして「船員の待遇の…

サティ『パラード』の振付と雑音

サティの『パラード』のスコア(サラベール)の解説には、「振付の合図」と題した一覧表がフランス語と英語でのっています。それを訳して編集したものを載せておきます。(雑音の後のカッコは、スコアの掲載場所です。) Satie”Parade" Choreographic cues(…

秋山邦晴『東京オリンピック選手村 食堂のための環境音楽』

秋山邦晴は1963年に四国の自然石サヌカイトに出会い、その音色に魅了されてテープ音楽を作りました。この『城の眼 喫茶店のための音楽 第一』と題された環境音楽は、石の音を素材に作られ、巨大な石のスピーカーから流されました。さらに1964年の東京オリン…

CD『小杉太一郎の純音楽 II』

作曲家小杉太一郎(1927-1976)の純音楽2作品を収録したCDが、Salidaから発売となりました。ニッポニカが演奏に参加したCDの内容は次の通りです。 小杉太一郎の純音楽 II Salida DESL-010 2017.11.30 平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加 曲目: ■交響楽(…

実験工房による『綾の鼓』

三島由紀夫は能の『綾鼓』を題材にした戯曲『綾の鼓』を1951年に作り、これは1952年に初演されました。秋山邦晴らの実験工房では1955年にこの作品を上演しています。音楽は湯浅譲二でした。佐谷画廊の図録には、同時に上演されたシェーンベルクの『月に憑か…

『綾鼓』の変容

能の『綾鼓』は更に多くの文学作品を生んでいます。戦前1922年には能楽研究者・野上豊一郎の妻で作家の野上弥生子が、舞台を古代メソポタミアに移した戯曲『綾の鼓』を書いています。ここで鼓を打つのは老人でなく若い羊飼いです。また戦後1957年には有吉佐…

三島由紀夫『綾の鼓』と山崎正和『世阿弥』

能の『綾鼓(あやのつづみ)』について調べて行くと、このテーマに因んだ文学作品がいろいろ作られていることがわかりました。そのひとつが三島由紀夫の戯曲『綾の鼓』です。舞台を現代に移した作品のあらすじを載せておきます。 また小杉太一郎『綾の太鼓』…

能『綾鼓(あやのつづみ)』

小杉作品リハーサルの会場で「綾の太鼓の綾って何ですか」と聞かれました。綾は綾織の布のことで、要するに皮のかわりに布をはった太鼓で、音がでるわけがないのであります。 ところで「綾の太鼓」の台本の最初には、「狂言方出て、能の「綾の鼓」の「間狂言…

『綾の太鼓』台本

ニッポニカが演奏したCD『小杉太一郎の純音楽II』が、このたびSalidaから発売されることになりました。収録されるのは小杉太一郎(1927-1976)作曲の『交響楽』(1953)と『綾の太鼓』(1963)ですが、録音に際して『綾の太鼓』に関する資料をいろいろと渉猟…

ニッポニカ第32回演奏会関連情報

第32回演奏会に関係する情報をランダムにブログにだしてきましたが、人物ごとに一覧にしました。 ■秋山邦晴関係 追悼・秋山邦晴さん http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20171018/ 秋山邦晴とCIE図書館 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20171017/ …

早坂文雄『管弦楽のための変容』関連情報

早坂文雄の『管弦楽のための変容』は1953年の作品ですが、初演が延期されたまま埋もれていました。1970年代になって秋山邦晴が発見し、1979年に初演されました。初演に参加したメンバーも何人か今回の舞台に乗ります。 ■タイトルと楽器編成 スコアから抜粋で…

湯浅譲二『ピアノ・コンチェルティーノ』関連情報

■タイトルと楽器編成 スコア(全音、2002)からの抜粋です。 ピアノ・コンチェルティーノ / 湯浅譲二 = Piano concertino / Joji Yuasa Instrumentation 2 Flute (=2 Piccolo) 2 Oboe (2° English Horn) 2 Clarinet (2° Bass Clarinet) 2 Bassoon (2° Double…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』関連情報

伊藤作品の楽譜は、東京音楽大学付属図書館ニッポニカ・アーカイヴ・コレクションのものを使用しています。 ■タイトルと楽器編成 スコアから抜粋です。 マドロスの悲哀への感覚 : 米窪太刀雄の作品に拠る / 伊藤昇 La tristesse du matelot : à cause de l'o…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』その2

芥川也寸志(1925-1989)が没した翌年に出版された『芥川也寸志:その芸術と行動』では、武満徹と秋山邦晴が『太平洋ひとりぼっち』に触れています。 ■武満徹の語る『太平洋ひとりぼっち』 武満徹は「芥川也寸志と映画音楽」と題して次のように書いていまし…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』その1

第32回演奏会でとりあげる武満徹の組曲『太平洋ひとりぼっち』は、1963年に公開された日活映画『太平洋ひとりぼっち』の映画音楽から、1996年に編集されたものです。映画のDVDがでていますが、詳細は次の通り。スコアを開いて映画を観ると、組曲では楽器編成…

武満徹・芥川也寸志『太平洋ひとりぼっち』関連情報

■楽器編成 武満・芥川作品のスコア(ショット・ミュージック, c1996)からの抜粋です。 オーケストラのための組曲『太平洋ひとりぼっち』 / 武満徹・芥川也寸志 = Alone on the Pacific, suite for orchestra / Toru Takemitsu, Yasushi Akutagawa Instrumen…

サティ『パラード』の「蒸気船のラグタイム」

サティの『パラード』では、見世物小屋の前で演じられる3つの出し物に曲が付けられています。一つ目は「中国の手品師」、二つ目は「アメリカの少女」、そして三つ目は「軽業師」。二つ目の「アメリカの少女」では、「アメリカ」を象徴するものとして「タッ…

サティ『バレエ音楽「パラード」』関連情報

台本がジャン・コクトー、舞台美術と衣裳がピカソ、音楽がサティのバレエからとられた組曲です。 ■タイトルと楽器編成 Dover版スコアから抜粋です。英語 [フランス語](日本語)。★印は、「雑音」として挿入されるものです。 Parade : ballet réaliste sur u…

イントナルモーリとマドロスと秋山邦晴

イントナルモーリ(intonarumori)とは、イタリアの画家・作曲家ルイージ・ルッソロ(Luigi Russolo, 1885-1947)が1913年に発明した、騒音楽器です。名称はイタリア語の「調律」(sintonia)と「騒音」(rumore)の合成語らしいです。秋山邦晴は著書『現代…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その4:各楽章の内容

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』の各楽章の初めには、米窪太刀雄著『マドロスの悲哀』からの文章が、下記の通り引用されています。楽章ごとに内容と背景を挙げておきます。 ■第1楽章「自然的墓地」 六連(むつれ)から済州島、隠岐、松島、釜山を連ぬる圏…

伊藤昇『マドロスの悲哀への感覚』その3:『マドロスの悲哀』

『海のロマンス』で一躍海運関係者に評判となった米窪太刀雄(満亮)ですが、次作『船と人』の出版により、日本郵船はじめ大手船会社から忌諱されてしまいました。そして1914年商船学校を卒業後は、松昌洋行という小さな船会社に就職しました。間もなく船長…