ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コクトーの映画『オルフェ』上映会

ジャン・コクトー脚本の映画『オルフェ』の上映会があります。終了後講演があり、案内をみたら「コクトーの映像世界から大きな影響を受けた映画人をたどり、“オルフェ”の弟子たちに迫ってみたい。」とありました。大江健三郎作、芥川也寸志作曲のオペラ『ヒ…

荻野綾子『音、音、おと:オネッガア。ギーゼキング。モッソロウ機械音楽』

荻野綾子がパリ滞在中に書いた文には、たくさんの音楽体験が綴られていました。朝起きた時から向かいの家のピアノ、二階のロシア人の蓄音機、中庭で流行歌のジンタ……。そして毎晩のように通う音楽会。 シャトレの劇場で、ピエルネの指揮、コンセル・コロンヌ…

荻野綾子とクロワザ

荻野綾子が二回目のパリ滞在中に書いた文にクロワザが登場していましたので、抜粋しました。 巴里との握手 在巴里 荻野綾子 1931年。これは私が3年振りに巴里で迎えた年です。私が巴里のリヨンの駅に着いたら、あのなつかしい町の広告塔と、電車と、メトロの…

「五線譜に描いた夢 ─日本近代音楽の150年」展特設サイト

10月11日から始まった日本近代音楽の展示の特設サイトが開設されています。 「五線譜に描いた夢 ─日本近代音楽の150年」 http://www.operacity.jp/ag/exh157/ 会期:2013年10月11日(金)〜12月23日(月・祝)11時〜19時(月曜休み) 会場:東京オペラシティ ア…

古澤淑子とパリ・コンセルヴァトワール

古澤淑子はパリ・コンセルヴァトワールで数多くの音楽家に出会いました。チェロのモーリス・ジャンドロン、歌手のジェラール・スゼー、ジャック・ジャンセン。そして音楽教師ナディア・ブーランジェ。 毎週水曜は作曲家、ナディア・ブーランジェのサロンへ。…

古澤淑子とクロワザ(その3)

クロワザ(1882-1947)は古澤淑子の個人的問題などにも気を配ってくれたそうです。また夫人には息子が一人いました。 夫人の一粒ダネの坊や、ジャン・クロードは、当時、12、3歳。金髪で頬がボーっと赤い可愛い坊やで、学校の帰りいつも夫人を迎えにきていた…

古澤淑子とクロワザ(その2)

古澤淑子は1937年(昭和12)、クロワザ(Claire Croiza, 1882-1947)の教えるパリのコンセルヴァトワールに入学しました。淑子の師・荻野綾子がパリを訪れたときは、クロワザはまだコンセルヴァトワールで教えていませんでした。しかしレッスン風景は同様で…

古澤淑子とクロワザ(その1)

古澤淑子がパリに落ち着いたのは1937年(昭和12)。翌年には太田(荻野)綾子夫妻は帰国します。 太田綾子がまだパリにいるとき、彼女は自分の師であるマダム・クレール・クロワザのもとへ淑子を連れていく。 綾子がマダム・クロワザに師事したのが大正14年…

古澤淑子と荻野綾子(その4)

1937年(昭和12)6月にマルセイユに着いた古澤淑子は、迎えに来た荻野(太田)綾子と共に列車でパリへ向かいました。綾子が初めてパリを訪れたときもそうであったかという印象です。 列車はゆっくりとパリ市街に入っていく。淑子はもっともっと自然の中を走…

古澤淑子と荻野綾子(その3)

古澤淑子は1937年、いよいよフランスへ留学します。このころ荻野(太田)綾子はパリで開催される国際音楽教育会議に参加のため、同じく渡仏したのでした。 淑子の留学がフランスと決定するまでに、多少の回り道があった。自由学園でも教えていただき、古澤家…

古澤淑子と荻野綾子(その2)

古澤淑子が荻野綾子のレッスンに通っていた1934年(昭和9)、荻野は太田太郎と結婚し太田姓になりました。 このころ、師の大きな心の変化、生活の変化など、淑子のレッスンには何ら、関係してこない。途中で、通う先生の家が変わっただけで、レッスンはさら…

古澤淑子と荻野綾子(その1)

古澤淑子は大連で遠藤郁子(遠藤周作の母)に唱歌を習ったのち、東京での師として荻野綾子を紹介されました。1930年(昭和5)に自由学園に入学し、フランス語を学んでいた14歳のこと。最初のレッスンでは「お嬢様芸だったらおやめなさい」といわれたそうです…

古澤淑子略歴

古澤淑子(1926-2001)の伝記を読み終わりました。フォーレの歌曲『夢のあとに』の楽譜を随所に配し、幼少から晩年までの写真も添えた読み応えのある伝記は、1992年1月〜12月に雑誌『婦人画報』誌上に連載されたもの。荻野綾子とクロワザについての記述はも…

2013-10-05の練習日記、あるいは近衛編曲『17世紀フランス歌謡集』

近衛作品の楽譜がきたので、早速練習しました。優美なフランス音楽を味わいました。管楽器は曲により編成がいろいろですが、マレのオーボエ2番のパート譜がみつからなくて、スコアを見て吹いてもらいました。終わった後でオーボエ1番の楽譜をみたら、なんと…

声楽家・古澤淑子の伝記

荻野綾子(1898−1944)に師事した声楽家、古澤淑子(ふるさわ・よしこ、1916-2001)の伝記です。古澤は1937年にフランスへ渡り、荻野と同じくクロワザの門下生となりました。 夢のあとで:フランス歌曲の珠玉 古澤淑子伝 / 星谷とよみ 東京 : 文園社, 1993 3…