ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

高橋アキ『パルランド:私のピアノ人生』

 ピアニスト・高橋アキが40年近くにわたって音楽雑誌等に書いてきた文章と、2012年に行われた4回のインタビューをまとめた本。全体を7つのテーマに分け、それぞれインタビューと著作を配している。現代音楽を演奏するようになった足跡、各国の作曲家たちとの密度の濃い交流、世界各地での演奏体験、新しい音楽に対峙する姿勢などが、率直な語り口で綴られている。カバーに使われているのは、ジョン・ケージ家具の音楽エトセトラ』の自筆楽譜。

パルランド : 私のピアノ人生 / 高橋アキ(春秋社、2013)301, 26p
目次
Part 1 レパートリーと共感
(1) ピアニストの領分 …5
(2) 共感 …9
(3) シューベルトに還る …13
(4) フェルドマンの絨毯 …16
(5) ローテクのポエジー …18
(6) 哲学者クセナキス …22

新作を初演するということ …24
トランプ・カードとレパートリー …28
名曲私感 : 凝縮、簡潔、静寂、そして咆哮 …31
サティとフェルドマンとケージと …34


Part 2 新しい音はゼロからはじまる
(1) 出発点 …43
(2) ドロップ・サウンドの快感 …47
(3) 前衛旋風の中で …49
(4) デビューと初リサイタル …53

記憶 …58
新しい音、未知へのよすが …60
八十八鍵の想像力 …63


Part 3 フル回転の日々
(1) 変身 …73
(2) ベルリンからパリへ : 予期せぬ出来事 …75
(3) サウンド・スペース=アーク …78
(4) ミュージック・トゥデイ …83
(5) サティの誘惑 …85

初めての海外旅行 …88
サティ連続演奏会覚え書 …91


Part 4 アキ オンステージ・オフステージ
(1) 雪のバッファロー …97
(2) アメリカ人気質 …99
(3) ケージの顰(ひそ)みに倣う : 横浜「新しい耳」シリーズ …101
(4) 世界の作曲家、ビートルズに挑む …106
(5) 挑戦、現在進行形 …109
(6) 同時代精神を担って …114
(7) タケミツ・トーンの肌触り …119
(8) アジア的、もしくは音響の秘儀 …123

ベルリン、ムジツィーレン …130
星のエチュード …133
 1 薄明りのファンタジー …133
 2 ジャチント・シェルシ : 霊感の音楽 …136
 3 “ゼーラントの男”の夢 …138
 4 「星」にまつわる名曲アラカルト …141
 5 星空からのメッセージ …144


Part 5 作曲家の流儀
グンナル・ベルク …149
モートン・フェルドマン …153
ジョン・ケージ …159
テリー・ライリー …175
ホセ・マセダ …179
武満徹 …182
佐藤聰明 …190


Part 6 ピアノ・ルームの楽譜から
(1) バッハ : 思い出の《ゴルトベルク変奏曲》 …196
(2) クラシックの王道 …200
(3) サティとその周辺 …207
(4) バルトークとヴァシャヘーリ先生 …210
(5) 信時潔スクリャービンラフマニノフ …216
(6) 音楽の現代がはじまったとき …218
(7) 新作の譜面 …223

変貌するベートーヴェン像 …224
シューベルト再考 …229
「ピアノが語るにまかせたい」 : ドビュッシーのペダル …240
進化するサティ …246


Part 7 教育・聴衆・文化
(1) トランスレーション …255
(2) “新しい音”をめぐる教育論 …258
(3) 聴衆と演奏会場の話 …263
(4) インスピレーション …270
(5) 異文化のはざまで …275

仕事の周辺 …280
 1 コピー/2 プリマ・ヴィスタ/3 アドバイス
 4 コーチング/5 シンボル/6 プロジェクト
 7 アンチ・アカデミズム/8 シンプリシティ
コソボへの旅 …288
現代音楽と子供たち …292
自分だけの「歌」を歌いたい …295


あとがき …300
付録 資料編
 【1】《トライアディック・メモリーズ》について / モートン・フェルドマン …(1)
 【2】高橋均編集『音楽研究』について / 秋山邦晴 …(6)
 【3】Yuji & Aki ショート・トーク …(8)
 【4】高橋アキ“新しい耳”シリーズ 演奏曲目 …(11)
高橋アキ 主要ディスコグラフィ …(19)

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