ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2015-01-01から1年間の記事一覧

「菅原明朗とその時代」

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』掲載の「菅原明朗とその時代」(1)(2)には、菅原明朗(1897-1988)の主として戦前の足跡が、12の見出しのもとに簡潔にまとめられています。概要を次の通りご紹介します。 菅原明朗とその時代(1) 明石時代の明朗と…

菅原明朗の作品と著述の数

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』には、興味深い表が載っていました。菅原の作曲した作品と、雑誌等に掲載した著述の数を、10年ごとにまとめたものです。全体としては1930年代の業績が多いですが、音楽作品の数は1930年代前後に匹敵する量を、晩年に作曲…

菅原明朗と『丘の上』

慶應義塾のカレッジソングは勇壮な『若き血』が有名ですが、優美な詞とメロディの『丘の上』も親しまれています。この『丘の上』を1928年に作曲したのが菅原明朗(1897-1988)です。『若き血』は前年に堀内敬三(1897-1983)が作詞作曲したもので、慶應英文…

菅原明朗と荻野綾子(3)

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』の中に、荻野綾子との仕事について書かれている箇所がありました。1930年11月の演奏会の半年前の記事です。 『祭典物語』がフランスへ航海している自分に野村が私に新しい仕事を作ってくれた。荻野綾子氏のために歌を書け…

菅原明朗と荻野綾子(附録)

(1)で掲載した1930年11月3日の演奏会のプログラムですが、あと2曲あるのを見落していましたので、(1)のエントリーを改訂しておきました。追加した2曲は、山田耕筰作曲『芥子粒夫人(ポストマニ)』と、菅原明朗作曲『内燃機関』です。この日のメインは…

菅原明朗と荻野綾子(2)

荻野(太田)綾子は2回目のパリ滞在から帰国後も、演奏会や放送で菅原明朗の曲を歌っています。N響ライブラリーから1935年のプログラムをご紹介します。 太田綾子独唱 日本歌曲新作演奏会 1935年6月3日(月)19:00 日本青年館 管弦楽 新交響楽団 プログラム …

菅原明朗と荻野綾子(1)改訂版

作曲家菅原明朗(1897-1988)の年譜を見ていると、荻野綾子(1898-1944)の名前が何回もでてくるのがわかります。最初は1930年11月の「菅原明朗・伊藤昇作品発表会」でした。この年33歳の菅原は帝国音楽学校作曲科主任教授となり、4月には箕作秋吉らと「新興…

菅原明朗の作品目録と著作目録

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』の巻末には、詳細な年譜とともに「作品目録」「著作目録」がついています。それぞれの凡例から要点を抜粋しました。作品は様々なジャンルにわたり、著作もたくさんで、評論集が編まれたのもなるほどでした。 作品目録 (…

菅原明朗評論集『マエストロの肖像』

マエストロの肖像 : 菅原明朗評論集 / 松下鈞編 立川 : 国立音楽大学附属図書館, 1998.03 iii, 611p ; 22cm 解題: 作曲家菅原明朗(すがわら・めいろう、1897-1988)の、生誕100年記念事業のひとつとして刊行された評論集。菅原が生涯に各種雑誌等に執筆した…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(3)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』第3楽章のタイトルは、「ジョバンニ・ピサーノ」(Giovanni Pisano)です。作曲者の言葉は次の通り。 第三楽章の「ジョヴァンニ・ピザノ」は彼の作品というよりも、生涯を歩んだ仕事の道の感銘から作った。父ニコラの工…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(2)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』第2楽章のタイトルは、「スビアーコの聖窟」(Sacro Speco in Subiaco)です。Sacroは聖、specoは洞窟とか岩窟という意味です。作曲者の言葉は次の通り。 第二楽章の「スビアーコ」は、ローマからは汽車の便もバスの便…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(1)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』(Italia : Immagine Sinfonica per Orchestra)は3楽章からなりますが、それぞれタイトルが作曲者によりつけられています。まず第1楽章は「聖アポッリナーレ新聖堂とクラッセの聖堂」(S. Apollinare Nuovo e in Clas…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』

Italia : Immagine Sinfonica per OrchestraI. S. Apollinare Nuovo e in ClasseII. Sacro Speco in SubiacoIII. Giovanni Pisano交響的幻影「イタリア」第1楽章 聖アポッリナーレ新聖堂とクラッセの聖堂第2楽章 スビアーコの聖窟第3楽章 ジョヴァンニ・ピサ…

新交響楽団第94回演奏会(演奏会プログラム)

バッハ作曲、菅原明朗編曲の『パッサカリア』を初演した演奏会のプログラム。菅原は同年春に新交響楽団が「日本の交響作品展5」で自身の作品をとりあげたことに対するお礼に、この曲を編曲した。 新交響楽団第94回演奏会 新交響楽団、1981.11.29 [8]p ; 26…

『車塵集』のふるさと

先週末に大連へ行ってきました。『車塵集』のふるさとに少し近づいた気がします。佐藤春夫訳『車塵集』の原詩の作者についての紹介文から、5人の女性の概要をひろってみました。()内は詩のタイトルです。時間と空間を超えて詩人の人となりについて想像を膨…