ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

音楽史

入野義朗『十二音の音楽:シェーンベルクとその技法』

入野義朗『十二音の音楽』入野義朗『十二音の音楽:シェーンベルクとその技法』早川書房、1953.7 序 十二音の音楽とはどういうものか …5 「十二音の音楽」は「twelve-tone music」の訳語だが、最近では「ドデカフォニー dodecaphony」という言葉がよく使われ…

芳賀直子『バレエ・リュス その魅力の全て』

芳賀直子『バレエ・リュス その魅力のすべて』 1909年から1929年まで存在した「バレエ・リュス」について、全体像と個々の作品、関わった人々、解散後の歩み、など多面的なアプローチで紹介した著作。ディアギレフの誕生からバレエ・リュス解散までの詳細な…

『魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展』図録

「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」図録 2014年に国立新美術館で開催された、バレエ・リュスのコスチューム展の図録。1909年から1929年まで活動したバレエ・リュスでは、上演した演目のコスチュームを大量に所蔵していた。解散した後そのコスチューム…

大田黒元雄『露西亜舞踊』(1917年版)

ディアギレフが主宰したバレエ・リュスの概要を紹介した、大田黒元雄(1893-1979)の最初の著作。特定の劇場に所属しない舞踊団である「バレエ・リュス Ballets russes」は、当時の日本では直訳の「露西亜舞踊」と呼ばれていたと考えられる。大田黒は1912年…

大田黒元雄『露西亜舞踊』(1926年版)

ディアギレフが主宰したバレエ・リュスの概要を紹介した、大田黒元雄(1893-1979)の著作。書名の「露西亜舞踊」は普通名詞でなく、「バレエ・リュス」そのものを指している。バレエ・リュスは1909年から1929年まで、パリを中心に公演を重ねたバレエ団だが、…

井口淳子『亡命者たちの上海楽壇』

井上淳子『亡命者たちの上海楽壇』 上海に設置された外国人居留地である上海租界には、1920年代ごろからロシア革命を逃れた白系ロシア人やユダヤ人が大勢住みつき、欧米の最先端の芸術文化が紹介されていた。その実態は長らく謎に包まれていたが、この本の著…

藤野幸雄『春の祭典:ロシア・バレー団の人々』

藤野幸雄『春の祭典:ロシア・バレー団の人々』 1909年興行主ジァーギレフ(ディアギレフ)によって始められ、1929年の彼の死によって解散したロシア・バレー団(バレエ・リュス)の足跡を、関わった複数の人々の伝記によって浮かび上がらせた書籍。前史とし…

「オリンピックと音楽」

日本近代音楽館レクチャーコンサート「オリンピックと音楽」 日本近代音楽館のレクチャーコンサートシリーズ、第8回は「オリンピックと音楽」でした。戦前のオリンピックではスポーツだけでなく「芸術競技」があり、日本からも参加していたこと、1964年東京…

図書館員のための音楽知識

国立国会図書館の「図書館員向け遠隔研修」として、「図書館員のための音楽知識」が今月Youtubeで公開されました。基本的な音楽史や楽曲、楽器などの基礎知識を学ぶもので、「平成30年9月14日に行われた、甲田潤氏(東京音楽大学付属民族音楽研究所専任研究…

野村光一・中島健蔵・三善清達『日本洋楽外史』

■書誌事項 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達 ラジオ技術社,1978 336, 22p ; 20cm目次: 第1章 明治時代 第2章 明治から大正へ 第3章 大正時代 第4章 間奏曲(人物外伝) I ≪親方≫近衛秀麿 II 日本の…

日本洋楽外史(その8)昭和時代5・6

『日本洋楽外史』第5章「昭和時代」の5は「終戦前後」、そして6は「終戦後」。日響からN響へ、音楽コンクール、そして東京音楽学校から芸大へ繋がり、池内友次郎の再登場で終了します。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,…

日本洋楽外史(その7)昭和時代4

『日本洋楽外史』第5章「昭和時代」の4は、暗黒時代として戦時下の音楽界と聴衆の様子です。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達(ラジオ技術社,1978) 第5章 昭和時代 IV 暗黒時代 暗黒時代の幕開け・…

日本洋楽外史(その6)昭和時代3

『日本洋楽外史』第5章「昭和時代」の3は、外来演奏家たちについてです。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達(ラジオ技術社,1978) 第5章 昭和時代 III 初期の外来演奏家たち エルマン・トーンをめぐ…

日本洋楽外史(その5)昭和時代1・2

『日本洋楽外史』第5章は「昭和時代」を6つに区切っているので、まずその1と2。演奏会、レコード、ラジオ放送、来日音楽家、音楽コンクールなどなど、そしてオペラの話題です。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健…

日本洋楽外史(その4)間奏曲(人物外伝)

『日本洋楽外史』第4章は間奏曲として、近衛秀麿(1898-1973)、フランス音楽輸入パトロンの薩摩治郎八(さつま・じろはち、1901-1976)らを紹介しています。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達(ラジオ…

日本洋楽外史(その3)大正時代

『日本洋楽外史』第3章は「大正時代」。第一次大戦、ロシア革命、外来演奏家、日本の留学生などなど、大きな時代のうねりがあります。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達(ラジオ技術社,1978) 第3章 …

日本洋楽外史(その2)明治から大正へ

『日本洋楽外史』第2章は「明治から大正へ」。オペラ、山田耕筰、奏楽堂、音楽雑誌、軍楽隊などが話題にのぼります。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達(ラジオ技術社,1978) 第2章 明治から大正へ 今…

日本洋楽外史(その1)明治時代

ニッポニカ第33回演奏会は「アカデミズムの系譜」と題していますので、参考になる本を探していたら『日本洋楽外史』というのを見つけました。音楽評論家の野村光一(1895-1988)、フランス文学者の中島健蔵(1903-1979)、NHKディレクターの三善清達(1926-…