近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の3曲目はマレの作品です。これはオペラでなく独立した歌曲で、原曲は6連の詩ですが、近衛編曲では第3連と第6連は省かれています。
■マレ:『私が小鳥だったなら』 (詩:ベランジェ)
Marin MARAIS: "Si j'etais petit oiseau" (paroles de Pierre-Jean de Béranger)
(大意)
私は鳥の翼がうらやましい
光の中を、美しい空を飛ぶ
私は速く速く飛んでいくだろう
私が小鳥だったなら
ナイチンゲールの甘い声のように
私は歌を運ぶ
そして貧しいものにマントを与える隠者を魅了する
それから私は貧しい人々がとらわれた塔に行き
翼を隠して彼らの悲しみを共にする
ある人は私を見てほほえみ
生まれ故郷の夢を見る
私はオリーブの木にとまり
王様の気晴らしのために歌う
そしてその小枝を追放された一家に届ける
私は速く速く飛んでいくだろう
私が小鳥だったなら
マレ Marin Marais, 1656-1728
サン・ジェルマン・ロクセロワ教会の合唱団員になり、リュリに作曲を学び、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者サント=コロンブに師事。宮廷ヴィオール奏者として知られ、ヴィオールを含む多くの合奏曲を作曲。