ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

グレトリー「皆が眠っている時」

 近衛秀麿編曲『17世紀フランス歌謡集』の4曲目は、グレトリーのオペラから小夜曲(セレナーデ)です。オペラのタイトルは『見せかけのうそ、または嫉妬深い恋人』。この曲だけギターがはいります。

グレトリー:「皆が眠っている時」〜オペラ『嫉妬する恋人』より小夜曲 (台本:T.デル)
André-Ernest-Modeste GRÉTRY: ‘Tandis que tout sommeille’, Sérénade de “L’amant jaloux” (libretto de Thomas d'Hèle) (1778)
(大意)
皆が眠っている夜に、愛が私にささやく
ランデブーの瞬間が来た
幸運を存分に味わいなさい
恋人はあなたの甘い言葉を聞きます
今朝私の心を満たした幸せな希望
全ては私の幸運のおかげ

グレトリ André-Ernest-Modeste Grétry, 1741-1813
 ベルギー生まれ。古典派様式によるオペラ・コミックの確立者であり、旧体制から革命期のフランス作曲界の中心人物であった。初期には器楽曲、教会音楽も手がけたが、ヴォルテールの勧めで劇場音楽に進出。パリのコメディ・イタリエンヌと結びついて、生涯に60曲を超える歌劇を作曲。その旋律の美しさ、和音の豊かさで当時はもてはやされ<音楽のモリエール>といわれたが、それらが現在上演されることは少ない。


出典:クラシック音楽作品名辞典 改訂版(三省堂、1996)