ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

作品

武満徹『ソリチュード・ソノール』楽器編成

スコアの記載事項。「a Toshiro Mayuzumi」(黛敏郎に捧ぐ)と献辞が、「NHKシンフォニーホール 9/11放」とメモが書かれています。初演は11/2なのですが。 Solitude sonore pour orchestre / Toru Takemitsu 2 Flûtes 1 Flûtes basse (en sol) 1 Petite clar…

三善晃『ヴァイオリン・ソナタ』(1954)

三善晃のこのソナタは留学前の作品で、「渡仏後、たまたまIMCの推薦曲に選ばれ、その暮、パリのエコール・ノルマルで演奏された」そうです(三善晃著『遠方から無へ』p108)。この曲は1985年の「第1回東京の夏音楽祭」で安永徹が演奏しており、そのプログラ…

三善晃『遠方から無へ』から(1)『交響的変容』

三善晃著『遠方から無へ』(白水社、1979)からの抜粋です。 『交響的変容』 『ピアノ・ソナタ』とともに留学中にデッサンをはじめ、帰国後完成した。自分で自作の系譜をたどるのは滑稽だが、ほとんどすべての作品を遡った先がここで一つになっている。 初演…

三善晃『交響的変容』楽器編成

スコアの記載事項。 交響的変容 (Mutation Symphonique) / 三善晃 Akira Miyoshi Mars. 1958 3月30日 NHKシンフォニーホール 1 Petite Flûte 2 Flutes 2 Hautbois 1 Cor Anglais 2 Clarinettes en Si♭ 1 Basse-clarinette 2 Bassons 1 Contre-basson 4 Cors …

NHK-FM「クラシックの迷宮」3/7は「宮城県にささぐ」

片山杜秀さんの「クラシックの迷宮」、今週末は「宮城県にささぐ」と題した番組で、小杉太一郎作品ほかがとり上げられます。NHKサイトの情報を載せておきます。 クラシックの迷宮・宮城県にささぐ / 片山杜秀 NHK-FM 2015年3月7日(土)21時〜22時 再放送 3…

矢代秋雄『交響曲』楽器編成

スコアに記載されたデータは次の通り。 矢代秋雄『交響曲』 作曲 1958年1月末―5月半ば。 初演 1958年6月9日、渡辺暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団による 出版 1959年、音楽之友社 編成 ピッコロ(3番フルート持ち替え) フルート 2(1番は2番ピッコロ…

芥川也寸志『エローラ交響曲』演奏歴

この曲は1958年の「三人の会」で初演され、その後の演奏で確認できたのは下記の通りです。 芥川也寸志『エローラ交響曲』演奏歴 [年月日 演奏会名 指揮者・オーケストラ(会場)] ■1958/4/2 3人の会第3回公演 芥川也寸志・N響(新宿コマ劇場)■1970/2/9 現…

矢代秋雄『交響曲』演奏歴

『日本の交響楽団定期演奏会記録』(追録共)、『現代日本のオーケストラ』などに掲載の演奏歴です。 矢代秋雄『交響曲』演奏歴 [年月日 演奏会名 指揮者・オーケストラ(会場)] 1958/6/9 日フィル第9回定期 渡邊暁雄・日フィル(日比谷公会堂)1965/3/12 …

日フィル・シリーズ初演作品

1956年創立の日本フィルハーモニ交響楽団は、日本人作曲家へ作品を委嘱する「日本フィル・シリーズ」を始め、多くの作品を初演してきました。日フィルのウェブサイトに一覧が載っていますが、シリーズ第1回で演奏されたのは、矢代秋雄の『交響曲』でした。1…

1958年の管弦楽作品

1958年にどんな曲が作曲されたか、N響『フィルハーモニー』特別号「現代日本の管弦楽作品表」の1958年に載っている曲を書きだしてみました。24人の作曲家による31曲がありました。 芥川也寸志 エローラ交響曲 石井歓 シンフォニア・アイヌ 石桁真礼生 交響譚…

木村重雄の語る1958年の日本のオーケストラ界

いよいよ1958年です。木村重雄『現代日本のオーケストラ』の「1958年」の項目に書かれていることを、箇条書きにまとめてみました。 日本で最初の「国際フェスティバル」が大阪で開催。 レニングラード・国立フィルハーモニー交響楽団が初来日し、ロストロポ…

小宮多美江氏の語る1957年の日本の音楽界

ここでちょっと視点を変えて、小宮多美江『受容史ではない近現代日本の音楽史』にあげられていた1957年のキーポイントを載せておきます。 東京交響楽団の日本人作品演奏シリーズで、安部幸明「交響曲第1番」、武満徹「弦楽のためのレクイエム」初演。 日本フ…

木村重雄の語る1957年の日本のオーケストラ界

昨日から27回演奏会の練習が始まりました。1958年にいよいよ挑戦です。ところで、前年1957年はどんな年だったのでしょうか。木村重雄『現代日本のオーケストラ』の「1957年」の項目に書かれていることを、箇条書きにまとめてみました。 カラヤン率いるベルリ…

木村重雄の語る日本人作品演奏の歴史

日本人作品の演奏史について、木村重雄『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』p397-401にまとめられていた文章を、箇条書きに編集してみました。 ・1927年〜1941年は、日本人作品はほとんど思い付いたようにしか演奏されなかった。 ・太平洋戦争開始直後の1…

木村重雄の区分によるニッポニカ演奏歴

木村重雄『現代日本のオーケストラ』の「オーケストラの歩み」は5つの時代区分に区切られています。それに沿ってニッポニカがとり上げてきた曲目を作曲年順に並べてみました。日本のオーケストラが歩んできた道程と並行して、どのような作品が生まれてきたの…

安部幸明『交響曲第2番』にジャズの響き

安部幸明『交響曲第2番』の第2楽章は変奏曲です。主題の後に4つの変奏が続き、最後は主題とコーダで締めくくられます。その第2変奏、練習番号48からの部分は、三拍子の頭をフルート、ファゴット、シロフォン、チェロが打つと、裏拍をヴァイオリンとヴィオラ…

安部幸明『スケルツォ』は薔薇の騎士か?!

安部幸明『スケルツォ』の中間部トリオについて、いろいろおしゃべりしました。 Y君いわく、「あそこはリヒャルト・シュトラウスですよねえ。」 私「えっ、あ、薔薇の騎士とか??」 Y君「そうそう。あそこのところは、日本的なものとは正反対に、西欧志向ま…

片山杜秀の「日本のボレロ」

昨日今日は鈴木秀美X安部幸明に浸っているのですが、録音しておいた片山さんのラジオ「クラシックの迷宮」を聴いたらなんとボレロ特集。だいたいの曲はやったことがあるし、早坂のボレロは私も舞台にのってました。そして安部幸明の世界もこれに連なるものが…

安部幸明『オーケストラのためのセレナーデ』の構成

1963年作曲の『オーケストラのためのセレナーデ』は、次の6曲で構成されています。 Serenade for orchestra Miniature Overture March Lullaby Scherzo Nocturn (Soliloquy) Finale 5曲目のSoliloquyの意味は「独り言」。独奏チェロが活躍します。 安部幸明…

『宇宙戦艦ヤマト』の構成

すみだ区民音楽祭で演奏する『宇宙戦艦ヤマト』は、次の12曲で構成されています。 女声合唱、ナレーション、オーケストラによる組曲「宇宙戦艦ヤマト」 序曲「宇宙のテーマ」 ヤマト誕生 出発 イスカンダル 試練 白色彗星 想人〜星に想うスターシャ 真赤なス…

安部幸明『オーケストラのためのセレナーデ』の楽器編成

1963年の作品。演奏時間35分。初演は1963年10月27日、上田仁指揮、東京交響楽団、TBSラジオ放送。 Serenade for orchestra Instrumentation 2 Flauti 1 Piccolo (e 3° Flauto) 2 Oboi (Corno Inglese) 2 Clarinetti in Si♭, La 2 Fagotti 4 Corni in Fa 2 Tr…

安部幸明『交響曲第2番』の楽器編成

1960年作曲の交響曲。演奏時間26分。初演は1960年11月10日、上田仁指揮、東京交響楽団、TBSラジオ放送。舞台初演は同じ奏者で1961年5月26日日比谷公会堂。因みに最初の交響曲は1957年作曲でした。 Symphony no. 2Instrumenti dell' orchestra 1 Piccolo 2 Fl…

ニッポニカ演奏の早坂文雄作品がラジオ放送

片山杜秀さん企画のNHK「クラシックの迷宮」で、2週続けてニッポニカの演奏が放送されました。第2回の再放送は8月11日(月)午前10時〜11時、NHK‐FMです。早坂文雄(1914〜1955)が8月19日に生誕100年を迎えるのを機に企画されたものです。 クラシックの迷宮…

安部幸明『交響的スケルツォ』の楽器編成

1939年に作曲されたこの作品、今回が初演となります。安部幸明28歳、東京音楽学校を卒業して3年目、楽団「プロメテ」の結成に参加した年でした。スコアに書かれた楽器編成は次の通り。 Symphonische Scherzo für Orchester von Komei Abe Besetzung des Orch…

アトム、ヤマト、そしてガンダム

すみだ区民音楽祭、今年は『鉄腕アトム』と『宇宙戦艦ヤマト』の伴奏をすることになりました。そこで「アトム」と「ヤマト」、そして我が家でいつも話題の「ガンダム」の概要をメモしておきます。世代によって知ってることに差があるようですが、こうしてみ…

バレエ・リュス展に行きました

国立新美術館で開催中の「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」に行ってきました。ディアギレフ(1872-1929)のバレエ・リュス(Ballets Russes ロシアバレエ団)の全貌がうかがえる充実した展示でした。「出品作品リスト」に載っていた『演目名』と初演…

安部幸明作品のNAXSOS-CD

昨日は「安部幸明作品を聴く会」をやり、NAXOSのCDを聴きました。3曲とも戦後の作品ですが、交響曲第1番とシンフォニエッタでは明らかに作風の違いがみられ興味深かったです。今度演奏する交響曲第2番は1960年の作品なので、どんな響きがするのか楽しみです…

伊福部昭『ラウダ・コンチェルタータ』演奏歴

「クラシックの迷宮」で久しぶりにラウダを聴いたので、演奏歴をひろってみました。自分でやったのの他に、FM放送、ヤマカズ先生の初演と京響、新星での海外公演のデータがすぐわかったので入れてあります。これ以外にも何度も演奏されているのでしょうね。…

今井重幸『ゴジラのフラメンコ』楽器編成

本年1月4日に亡くなられた作曲家今井重幸先生の作品『ゴジラのフラメンコ』を、第25回演奏会の冒頭に演奏することになりました。スコアに書かれた楽器編成を掲載します。欧文タイトルには、「ゴジラのモティーフによる変容『ゴジラのフラメンコ』」という日…

池野成『ラプソディア・コンチェルタンテ』楽器編成

池野作品のスコアに書かれた編成です。打楽器の詳細が下に書いてあります。 Rapsodia Concertante / Sei Ikeno ■Distribuzione dell’ Orchestra3 Flauti Flauto 3゚ anche muta in piccolo 2 Oboi 1 Corno Inglese anche muta in oboe 3゚ 2 Clarinettei in Si…