ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

作品

石田匡志作曲『交響曲第2番』の楽器編成

石田匡志(いしだ・まさし、1979-)作曲『交響曲第1番』はマニラで初演しましたが、その後に作曲された第2番の楽器編成です。第1番とほとんど同じですが、打楽器がすこし異なります。 交響曲第2番 (2015) / 石田匡志 Flute 2 Oboe 2 Clarinet 2 Bassoon 2 Ho…

NHK-FMクラシックの迷宮で細川俊夫『ヒロシマ・レクイエム』

片山杜秀さん解説の「クラシックの迷宮」、8月6日は「原爆と音楽」特集でした。 クラシックの迷宮 - 原爆と音楽 - NHK-FM 2016年8月6日(土)21時〜22時 「原爆を許すまじ」浅田石二:作詞、木下航二:作曲、(歌)中央合唱団(3分41秒)<音楽センター CCD884…

NHK-FMクラッシックの迷宮でブリテン『シンフォニア・ダ・レクイエム』

片山杜秀さん解説の「クラシックの迷宮」はブリテン特集。 クラシックの迷宮:ブリテンの鎮魂交響曲 NHK-FM 2016年7月16日(土)21時〜22時 再放送 7月18日(月)10時〜11時 「“青少年の管弦楽入門(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)”作品34から 冒頭」…

諸井三郎『こどものための小交響曲』

諸井作品のスコアは、「日本放送協会」と印刷された五線紙に書かれていました。 こどものための小交響曲 変ロ調 = Sinfonietta in B (1943) / 諸井三郎 楽器編成 2 Flöten 2 Oboen 2 Clarinetten in B 2 Fagotte 2 Hörner in F 2 Trompeten in B 1 Posaune 1…

間宮芳生『合唱とオーケストラのためのコンポジション「子供の領分」』

合唱パート譜の作曲者によるまえがきによると、この曲は次の5楽章からなり、「東京各地域からの50種をこえる歌が素材として用いられて」います。 子供の領分:合唱とオーケストラのためのコンポジション(合唱のためのコンポジション第4番)(1963) ゆかい…

野平一郎『ある科学者の言葉』CD

野平作品を含め、4曲がはいったライブ録音のCD。野平作品は2004年のピアノ版が収録されています。 The meaning of dream = 夢の意味 Fontec, [2007] 1 compact disc + 1 pamphlet (東京混声合唱団創立50周年記念演奏会シリーズ ; 3) 演奏: 東京混声合唱団 ; …

ブリテン『シンフォニア・ダ・レクイエム』解説

ブリテンの作品は日本の紀元二千六百年奉祝演奏会に寄せられた曲ですが、演奏はされませんでした。その経緯には諸説ありますが、Boosy & Hawkes社のスコアの前書きには、次の内容が英独仏の三か国語で書かれていました。この曲の部分を抽出した拙訳を載せて…

ブリテン『シンフォニア・ダ・レクイエム』

ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)の『シンフォニア・ダ・レクイエム』(Sinfonia da Requiem)スコアは、Boosy & Hawkes社から管弦楽作品撰集の第2巻として刊行されています。 ■スコア記載の楽器編成 Sinfonia da Requiem: Instrumentation 3 Flutes (3r…

野平一郎『ある科学者の言葉』の歌詞

この作品の歌のテキストは、『アインシュタイン150の言葉』からとられています。この本はアインシュタインの語った言葉から150を選び、次の8つのカテゴリーに分けて並べられていて、1番から150番まで番号が振られています。カテゴリーの後ろの数字が言葉の…

野平一郎『ある科学者の言葉』

■スコアの記述: Paroles d'un savant pour choeur d'enfants et orchestre (2007) / Ichiro Nodaira 楽器編成 2 Flutes (2° prendre Petite flute) 2 Hautbois (2° prendre Cor inglais) 2 Clarinettes en si♭ 2 Bassons 2 Cor en fa 1 Trompette Percussio…

I.Pizzetti "Sinfonia in La"の楽譜物語

第28回演奏会プログラム冊子に掲載した文章です。 ピッツェッティ作品の楽譜物語 Vla門倉百合子 ピッツェッティ作曲『交響曲イ調』は、1940年に日本で開催の紀元二千六百年奉祝演奏会に寄せられた曲です。この行事については政府の公式記録『紀元二千六百年…

池野「ラプソディア」石井「アフロ」今井「ゴジラ」CD評

オクタヴィア・レコードより発売されたニッポニカのCD評が、『レコード芸術』2016年3月号p151に載りました。「新譜月評:現代曲」の欄で、評者は音楽評論家の佐野光司さんと長木誠司さん。録音評は山之内正さん。ありがたいことです。CDのデータを再掲してお…

ピッツェッティ『交響曲イ調』再演のプログラム

ピッツェッティ作品は1940年の初演以来、日本国内では1回しか再演されていません。そのプログラム冊子を日本近代音楽館で閲覧してきました。巻頭のイタリア大使および日伊協会常務理事の言葉によると、この演奏会はイタリアから着任した指揮者レオーネ氏の来…

『日本の洋楽1923-1944』解説書

2002年2月に財団法人ロームミュージックファンデーションから出されたSPレコード復刻CD集には、90ページ近い解説書がついています。そのうちの60ページを占めるのが、音楽評論家片山杜秀さんの詳細な曲目解説です。全体の目次は次の通り。 日本の洋楽1923-19…

高橋アキの弾く早坂文雄

早坂文雄(1914-1955)のピアノ作品を高橋アキさんの演奏で収めたCD。アキさんはこの中の17曲からなる『ピアノ小品集』について、次のように語っています。 早坂文雄の《室内のためのピアノ小品集》というのがあって、全音から楽譜が出てますが、まだ彼が二…

池野「ラプソディア」石井「アフロ」CD

本日オクタヴィア・レコードより、ニッポニカ演奏のCDが発売となりました。 池野成:ラプソディア・コンチェルタンテ ; 石井眞木:アフロ・コンチェルト EXTON OVCL-00583 曲目: (1)ラプソディア・コンチェルタンテ / 池野成(1931-2004) (2)ゴジラのモテ…

菅原明朗『ピアノ協奏曲』

Concerto per Pianoforte e Orchestra / M. Sœgaharat I. AndanteII. Allegro non troppoIII. Allegro vivace Instrumenti dell' Orchestra2 Flauti II=Ottavino2 Oboi II=Corno Inglese2 Clarinetti in La Clarinetto Basso in Si♭3 Fagotti 4 Corni in Fa3…

ピッツェッティ『交響曲イ調』解説その2

1940年の紀元二千六百年奉祝演奏会は録音され、SPレコードが発売されました。それをロームミュージックファンデーションは「SPレコード復刻CD集」として2002年にだしています。ピッツェッティの作品もそれにはいっており、片山杜秀さんの解説の冒頭をご紹介…

ピッツェッティ『交響曲イ調』解説

I.ピッツェッティ(Ildebrando Pizzetti, 1880-1968)の『交響曲イ調』の解説で、紀元二千六百年奉祝会出版スコアに書かれているものです。表記は適宜現代仮名遣い等に改め改行も追加しました。1940年の演奏では「イ長調」と表記された由来も書かれています…

ピッツェッティ『交響曲イ調』楽器編成

紀元二千六百年奉祝会が出版したスコアの記述です。260ページほどあり、196ページのリコルディ版スコアとは異なります。表紙には2600という数字をデザインしたシンボルマークが印刷されています。発行日の1940年12月7日は、奉祝演奏会の初日に当たります。 …

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(3)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』第3楽章のタイトルは、「ジョバンニ・ピサーノ」(Giovanni Pisano)です。作曲者の言葉は次の通り。 第三楽章の「ジョヴァンニ・ピザノ」は彼の作品というよりも、生涯を歩んだ仕事の道の感銘から作った。父ニコラの工…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(2)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』第2楽章のタイトルは、「スビアーコの聖窟」(Sacro Speco in Subiaco)です。Sacroは聖、specoは洞窟とか岩窟という意味です。作曲者の言葉は次の通り。 第二楽章の「スビアーコ」は、ローマからは汽車の便もバスの便…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』の景色(1)

菅原明朗の『交響的幻影「イタリア」』(Italia : Immagine Sinfonica per Orchestra)は3楽章からなりますが、それぞれタイトルが作曲者によりつけられています。まず第1楽章は「聖アポッリナーレ新聖堂とクラッセの聖堂」(S. Apollinare Nuovo e in Clas…

菅原明朗『交響的幻影「イタリア」』

Italia : Immagine Sinfonica per OrchestraI. S. Apollinare Nuovo e in ClasseII. Sacro Speco in SubiacoIII. Giovanni Pisano交響的幻影「イタリア」第1楽章 聖アポッリナーレ新聖堂とクラッセの聖堂第2楽章 スビアーコの聖窟第3楽章 ジョヴァンニ・ピサ…

『車塵集』のふるさと

先週末に大連へ行ってきました。『車塵集』のふるさとに少し近づいた気がします。佐藤春夫訳『車塵集』の原詩の作者についての紹介文から、5人の女性の概要をひろってみました。()内は詩のタイトルです。時間と空間を超えて詩人の人となりについて想像を膨…

佐藤春夫『車塵集』と芥川也寸志……生誕90年企画に寄せて

『車塵集』は中国六朝から明清時代の女性32人の漢詩48篇を、詩人・佐藤春夫(1892-1964)が翻訳し1929年に武蔵野書院から出版した詩集です。近くの図書館から佐藤春夫『車塵集・ほるとがる文』(講談社文芸文庫、1994)を借りてきて読んでみました。詩集の最…

ヨシポヴィッチ『ピアノのためのプレリュード:ガラス玉演戯』

日本クロアチア音楽協会のサロンコンサートで、イヴォ・ヨシポヴィッチ『ピアノのためのプレリュード』を聴きました。副題に『ガラス玉演戯』とあり、どこかで見たと思っていたら、ヘルマン・ヘッセの小説とのこと。頭の中が一瞬40年前にさかのぼり、独文科…

NHK-FM「クラシックの迷宮」で別宮貞雄『大男の庭』

録音しておいた片山杜秀さんの「クラシックの迷宮」、別宮貞雄の『大男の庭』は大変興味深い作品でした。原作オスカー・ワイルド『The selfish Giant』で台本は岩田宏。庭を塀で囲み外界から遮断する大男、1962年の作品と聞けば前年に造られたベルリンの壁を…

舘野泉と伊福部昭『日本組曲』

昨日の日経夕刊コラム「あすへの話題」でピアニスト舘野泉さんが、エストニアの作曲家ウルマス・シサスクについて書いていた。その『エイヴェレの星たち』という曲が、伊福部昭の『七夕』を想わせるというもの。『七夕』は伊福部の『日本組曲』の2楽章で、19…

芥川也寸志『エローラ交響曲』楽器編成

スコアの記載事項。最後に「27. 3. 1958 Tokyo」とありました。 Ellora symphony / Yasushi Akutagawa 1958 Piccolo - Flauto contralto in sol Flauti (Piccolo) I, II Oboi I, II Corno Inglese Clarinetti in Si♭ I, II Clarinetto basso Fagotti I, II C…