ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

木村重雄の語る日本人作品演奏の歴史

 日本人作品の演奏史について、木村重雄『現代日本のオーケストラ:歴史と作品』p397-401にまとめられていた文章を、箇条書きに編集してみました。

・1927年〜1941年は、日本人作品はほとんど思い付いたようにしか演奏されなかった。
・太平洋戦争開始直後の1942年から、「交戦国の作品よりは日本の音楽」という国策を背景に、ほとんど義務的に各オーケストラのプログラムに日本人作品が組み込まれた。
・1945年の敗戦と同時に、再びほとんどかえりみられなくなった。
・1953年以降東京交響楽団が、上田仁を推進力として委嘱と再演の双方の面から積極的に同時代の作品を演奏し始め、作曲家の意欲を触発して多くの個性的なすぐれた作品を輩出した。
・東響に続き1956年に登場した日本フィルが、渡邉暁雄により「日本フィル・シリーズ」を軸に同じ役割を果たした。
・1968年からは、岩城宏之N響外山雄三、東響の秋山和慶、日本フィル、都響などが積極的に現代日本の作品を定期演奏会でとり上げはじめた。
・創立以来全く演奏しなかった読売日響も、若杉弘と山岡重信によりすこしずつ演奏し始めた。創立以来絶えることなく現代日本作品を取り上げてきたのは、日本フィルと新星日響で、それに続くのが都響
N響は1953年から「尾高賞」を設け受賞作品の演奏を重ね、岩城と外山がそれを支えた。
・定期公演以外にもN響の尾高賞30周年記念演奏会(1982年)、日本フィル創立25周年記念の委嘱作品による演奏会、東響の「現代日本の音楽」シリーズなどがある。
・地方のオーケストラも1959年以降札響、山響、京都市響、広響、大フィルなどが、地域在住作曲家の作品を始めとして取り上げている。
・日本交響楽振興財団による「現代日本のオーケストラ音楽」、現音による「現代の音楽展」、「民音現代作曲音楽祭」、サントリー音楽財団による「作曲家の個展」などの機会も数多く生じている。

参考リンク

作曲の奨励 〔日本交響楽振興財団〕 http://www.symphony.or.jp/v_top.html

現代の音楽展2015 〔日本現代音楽協会〕http://www.jscm.net/?p=2839

民音のあゆみ>1969年 〔民主音楽協会http://www.min-on.or.jp/history/years_history45.html

作曲家の個展コンサート 〔サントリー芸術財団http://www.suntory.co.jp/sfa/music/composition/performance.html