2018-01-01から1年間の記事一覧
ニッポニカ第33回演奏会でとりあげる島岡譲『前奏曲とフーガ ト短調』は、今回オリジナル管弦楽のピアノリダクション版から林達也先生が新たな管弦楽版を作成してくださいました。林先生は2015年に和声の教科書を執筆されており、概要は次の通りです。 新し…
島岡譲が執筆責任を担当した『和声 理論と実習』は全3巻と別巻からなりますが、1964年〜1967年に初刷が出て以来、現在でも刷を重ねて音楽之友社から刊行されています。著者に名を連ねているのは、池内友次郎、長谷川良夫、石桁真礼生、松本民之助、島岡譲、…
島岡譲年譜「その3」は、還暦までに執筆、出版した数々の音楽教科書についてです。 1958(昭和33)年:11月、『和声の原理と実習』(音楽之友社)完成。自己の途が音楽理論と音楽教育にあることを自覚する。 島岡は引き続き1959年に『フーガの実習』を、196…
島岡譲年譜「その2」は、東京音楽学校復学からパリ音楽院留学までです。 終戦後1946(昭和21)年、島岡は疎開先から上京し、東京音楽学校に復学しました。貧しい生活の中で焼け残ったお茶の水分教場に通い、一日中グランドピアノを弾いて渇きを癒したのでし…
【島岡譲先生は今回の演奏会に際してのニッポニカの取材にお元気にご対応下さいました。以下のブログは音楽史上の記述につき敬称を略させていただきますことご了解ください。】 第33回演奏会で取り上げる『前奏曲とフーガ ト短調』の作曲者、島岡譲(しまお…
小説家・幸田露伴の妹、幸田延(こうだ・のぶ、1870-1946)と、その妹、安藤幸(あんどう・こう、1878-1963)の評伝。延は音楽取調掛でピアノとヴァイオリンの指導を受け、19歳でボストンへ、20歳でウィーンへ留学し、ピアノ、ヴァイオリン、和声学、対位法…
1955年に作曲家池内友次郎が創設した「深新会」の、1958年までの概要です。発表会の作品名は省略してあります。 ■グループ名:深新会 メンバー:池内友次郎、貴島清彦、小泉治雄、宍戸睦郎、篠原眞、田中友子、土屋陽子、寺島尚彦、外崎幹二、内藤孝、端山貢…
作曲家・池内友次郎の自伝『父・高濱虚子:わが半生記』その5は、戦後の日仏交流、父の死、そして半生記出版まで。1953年には戦後二度目の渡仏をし、再びコンセルヴァトワールの試験審査員を務めました。その後友次郎は芸大図書館長、音楽学部長等を歴任し…
作曲家・池内友次郎の自伝『父・高濱虚子:わが半生記』その4は、戦後に父と親しい小宮豊隆校長の招きで東京音楽学校教師となり、矢代秋雄、島岡譲らを指導する一方、日大を貴島清彦らに託して辞任した時期です。1951年には渡仏してコンセルヴァトワールの…
作曲家・池内友次郎の自伝『父・高濱虚子:わが半生記』その3は、パリから帰国し日大で教鞭をとり、音楽コンクールの審査員をつとめ、作曲とダンディの作曲法講義の翻訳にいそしんだ戦中生活。貴島清彦の名前が登場します。 西暦(和暦):事項 1937(昭和1…
作曲家・池内友次郎の自伝『父・高濱虚子:わが半生記』その2は、パリ音楽院に留学し、二度の帰国をはさんで過ごした20代の10年間です。友次郎はパリでダンディからメシアンまで多彩な音楽家の芸術を吸収すると共に、日本から留学した荻野綾子、平尾貴四男…
作曲家・池内友次郎(いけのうち・ともじろう、1906-1991)の自伝を読みました。自伝ですが『父・高濱虚子』というタイトルで、副題に『わが半生記』とあります。高名な俳人であった高濱虚子(たかはま・きょし、本名:高濱清、1874-1959)の次男として生ま…
■書誌事項 名曲に聴く.上・中・下 -- 改訂新版 / 野村光一 創元社,1950-1951 3冊 ; 19cm 目次: 上巻 バッハ以前/バッハとヘンデル/古典派時代 中巻 浪漫派時代 下巻 国民楽派/現代 附録:昭和20年以降発売洋楽新盤一覧表 改訂版への跋 曲名索引/演奏…
■書誌事項 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,中島健蔵,三善清達 ラジオ技術社,1978 336, 22p ; 20cm目次: 第1章 明治時代 第2章 明治から大正へ 第3章 大正時代 第4章 間奏曲(人物外伝) I ≪親方≫近衛秀麿 II 日本の…
『日本洋楽外史』第5章「昭和時代」の5は「終戦前後」、そして6は「終戦後」。日響からN響へ、音楽コンクール、そして東京音楽学校から芸大へ繋がり、池内友次郎の再登場で終了します。 ■日本洋楽外史 : 日本楽壇長老による体験的洋楽の歴史 / 野村光一,…