ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

野村光一『名曲に聴く』

■書誌事項

名曲に聴く.上・中・下 -- 改訂新版 / 野村光一

 創元社,1950-1951
 3冊 ; 19cm
 目次:

  • 上巻 バッハ以前/バッハとヘンデル/古典派時代
  • 中巻 浪漫派時代
  • 下巻 国民楽派/現代
        附録:昭和20年以降発売洋楽新盤一覧表
    改訂版への跋
    曲名索引/演奏者索引/作曲者索引
    曲名索引(追補)/演奏者索引(追補)

■下巻「現代」に取り上げられた作曲家

■解題

 音楽評論家の野村光一(1895-1988)が著した、西洋音楽の名曲とそのレコードに関するガイドブック。日本のレコード会社(ビクター、コロムビア、ポリドール、テレフンケン)が1951年1月までに発売したレコードから、著者が選択したものを収録している。時代的にみて、全てSPレコードと考えられる。
 内容は上巻が古典派時代まで、中巻が浪漫派時代、下巻が国民楽派と現代という区分けで、全巻に通しページが振られ、下巻巻末に曲名、演奏者、作曲者の索引が収められている。作曲者数は延べ200人に及ぶ。各巻は時代ごと、地域ごとに作曲家が配列され、同一作曲家の中は音楽のジャンルごとに曲が並べられている。そしてそれぞれの曲ごとに簡潔な曲目解説とその曲を収録したレコードのレーベル名・番号、レコード評が記されている。現代の作品になるにつれ、レコード評よりも曲目解説に重点が置かれている。
 本書の初版は1940年に上下2巻で刊行されたが、改訂新版ではそれ以降発売のレコードも収録したため、3巻で千ページを超える大作となった。