第37回演奏会でとりあげる入野義朗関連のブログ記事をまとめておきます。入野は日本における12音音楽の導入者として知られていますが、その経歴をたどってみると、自身の創作活動に留まらず、音楽関係イベントのオーガナイザーとして、国際交流のキーマンとして、音楽家の権利擁護の活動家として、そしてなにより教育者として実に多彩な活動を実践してきたことが浮かび上がります。没後20周年コンサートのパンフレットに音楽学者長木誠司が次のように語っているのが印象に残りました。
入野義朗について語るとき、まず彼を日本における12音技法の教祖のように見なすのは、亡くなった20年前ならともかく、もうやめよう。それは60年代までに培われ、その後ただ反復されてきた「見立て」に過ぎない。その生涯は、12音という切り口よりも、むしろ別の形で生き続けているのだから。ACLのなかに、そして彼が長年熱意をもって携わっていた教育活動のなかに。(長木誠司 東京大学助教授)
(注:ACL=Asian Composers League=アジア作曲家連盟)
- 入野義朗没後20周年コンサート(演奏会プログラム)
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2020/07/12/180342 - 「100年目の12音音楽」を聴く
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2021/02/14/055410 - 入野義朗『十二音の音楽:シェーンベルクとその技法』
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2020/06/03/120124 - 「シェーンベルクとその楽派」年表
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2020/06/01/170355 - 1964年10月のN響演奏会
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2020/04/19/160836
■参考
- Wikipedia「入野義朗」 https://w.wiki/ynn
- Wikipedia「入野義朗の楽曲一覧」 https://w.wiki/kza