ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

日本の女性作曲家

小林緑編著『女性作曲家列伝』

第41回演奏会では女性作曲家の作品を2曲取り上げるので、日本の女性作曲家にはどんな人がいるのか調べてみました。幸田延から渡鏡子までは『女性作曲家列伝』に掲載されており、先駆者といわれる人たちと考えられます。有馬礼子以降は日ごろ名前を目にする人をピックアップしたので網羅的ではありませんが、それぞれ作曲を学んだ学校(師)、【特徴】をメモしてみました。なお『女性作曲家列伝』はクララ・シューマンなど西洋の女性作曲家の紹介が主なのですが、巻末に藤家溪子インタビューが載っていて、女性と作曲という仕事、ジェンダーなどについて興味深い内容です。

  1. 幸田 延(1870-1946):音楽取調掛、ニューイングランド音楽院、ウィーン楽友協会音楽院【日本初の本格的器楽曲作曲】
  2. 松島 彜(つね)(1890-1985):東京音楽学校(ヴェルクマイスター)【1000曲以上作曲】
  3. 金井 喜久子(1906-1986):東京音楽学校下総皖一、呉泰次郎、尾高尚忠、平尾貴四男)【沖縄音楽】
  4. 吉田 隆子(1910-1956):(橋本國彦、菅原明朗)【反戦と女性解放】
  5. 外山 道子(1913-2006):エコールノルマル音楽院(ナディア・ブーランジェ)、パリ音楽院(ミヨー、メシアン)、コロンビア大学シェフェール電子音楽)【国際コンクール初入賞】
  6. 渡 鏡子(1916-1974):東京音楽学校信時潔、プリングスハイム)【チェコ音楽研究と評論、翻訳】
  7. 有馬 礼子(1933-):芸大(下総皖一)、東京音大職員(伊福部昭)【民族音楽研究】
  8. 原 嘉壽子(1935-2014):芸大(池内友次郎)、エコールノルマル音楽院(デュティユー)(チェレプニン)、ヴェネツィア音楽院声楽科【オペラ作曲】
  9. 三宅 榛名(1942-):ジュリアード音楽院(パーシケッティ)【多彩なジャンル】
  10. 北爪 やよひ(1945-):芸大(池内友次郎、矢代秋雄)、コダーイ・システム・セミナー【音楽の身体性】
  11. 久保 摩耶子(1947-):大阪音大、ウィーン音楽大学ハノーファー音楽演劇大学【ドイツで作品が多く演奏】
  12. 森 ミドリ(1947-):芸大(池内友次郎、矢代秋雄、佐藤眞)【TV番組でも活躍】
  13. 糀場 富美子(1952-):芸大(矢代秋雄間宮芳生、野田暉行)
  14. 水野 みか子(1958ー):東大→愛知県立芸大(兼田敏)【現代音楽の空間理念に関する研究で博士号】※
  15. 藤家 溪子(1963-):芸大(八村義男、間宮芳生
  16. 斉木 由美(1964-):愛知県立芸大、エコールノルマル音楽院、パリ音楽院、IRCAM【音楽における時間構造への問い】
  17. 金子 仁美(1965-):桐朋三善晃)、パリ音楽院(グリゼー)、IRCAM
  18. 山根 明季子(1982-):京都市芸大、ブレーメン芸術大学

※水野みか子氏は、ニッポニカが受賞した第21回佐治敬三賞の選考委員で贈賞理由を書いてくださった。

参考文献