ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

ニッポニカ第33回演奏会:アカデミズムの系譜

 オーケストラ・ニッポニカ第33回演奏会のご案内です。戦前にパリ音楽院に学び、東京音楽学校そして東京芸術大学で多くの才能を育てた池内友次郎と、その系譜につながる作曲家たちの作品を演奏します。

オーケストラ・ニッポニカ第33回演奏会
 アカデミズムの系譜
2018年7月1日(日)14:30開演(14:00開場)
東京・紀尾井ホール
プログラム:

  • 池内友次郎: 交響的二楽章 (1951)
  • 貴島清彦: 祭礼囃子による嬉遊曲 (1963)
  • 島岡譲: 前奏曲とフーガ ト短調 (林達也による管弦楽新版) (1948/2018)
  • 矢代秋雄: チェロ協奏曲  (1960) *
  • 野田暉行: 一楽章の交響曲 作品1 (1963)


指揮:野平一郎
チェロ:ルドヴィート・カンタ*
管弦楽:オーケストラ・ニッポニカ
チケット:全席指定 S 3,000円、A 2,000円
     (Web限定)S席ペアチケット 5000円、学生1,000円
主催:芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
助成:芸術文化振興基金 芸術文化振興基金助成事業
アーカイヴ協力:東京音楽大学付属図書館
http://www.nipponica.jp/

 取り上げる5人の作曲家のプロフィールは次の通りです。

池内友次郎 (いけのうち・ともじろう、1906-1991):俳人高浜虚子の次男。1927年パリ音楽院に入学。ビュッセルらに師事し理論と作曲を学ぶ。1936年帰国し日大芸術科で教鞭をとると共に、ダンディやビュッセルの和声学の翻訳にも取り組む。戦後東京音楽学校に招かれ1947年作曲科教授となり、同校が東京藝術大学となった後も教授、音楽学部長を歴任。門下から島岡譲、間宮芳生矢代秋雄、野田暉行ら多くの作曲家・教育者を輩出。1986年文化功労者


貴島清彦 (きじま・きよひこ、1917-1998):音楽に親しむ家庭で育ち、草川信に和声を学ぶ。1934年日大芸術科入学、池内友次郎と小松耕輔に作曲を師事。卒業後多くの作品を書き1939年同大芸術賞を受賞。1948年平尾貴四男、高田三郎、安部幸明と共に作曲グループ・地人会を結成、後に島岡譲も参加。1949年池内が東京音楽学校へ移るとその後任として日大芸術学部助教授となり、後に教授、学部長を歴任。1955年には池内門下の深新會に参加し、作品を発表。


島岡譲 (しまおか・ゆずる、1926-):長兄の影響で音楽に目覚め、平井康三郎に師事。1942年東京音楽学校入学、橋本國彦、下総皖一に師事。戦後池内友次郎に弟子入りし、同門に矢代秋雄黛敏郎ら。『前奏曲とフーガ』が日本音楽コンクール第2位入賞。地人会の平尾貴四男の縁で国立音大で教鞭をとり、また東京藝大でも講師を務める。1954年パリ音楽院に入学、ガロンにフーガを学び翌年帰国。『和声の原理と実習』を始め多くの教科書を出版、門下から野田暉行、広瀬量平ら多くの作曲家を輩出。現在国立音大名誉教授。


矢代秋雄 (やしろ・あきお、1929-1976):父は美術評論家矢代幸雄。諸井三郎、橋本國彦に師事し、1945年東京音楽学校作曲科入学。戦後は池内友次郎、伊福部昭等に師事し、優れた作品で注目される。1951年同校研究科修了後渡仏しパリ音楽院入学、ブーランジェ、シャラン、ギャロン、メシアン等に作曲と理論を学ぶ。1956年帰国後に発表した『交響曲』『チェロ協奏曲』『ピアノ協奏曲』はいずれも絶賛される。東京藝大教授に就任し門下に池辺晋一郎、野田暉行ら。


野田暉行 (のだ・てるゆき、1940-):池内友次郎に師事し1960年東京藝大入学。作曲を更に矢代秋雄、島岡譲に学ぶ。『一楽章の交響曲』が日本音楽コンクール第1位。ベルリン日独親善音楽会、大原美術館記念委嘱、日本フィル委嘱等で活動を開始。1974年第二次「深新會」創設、10年間代表を務める。各種個展を開催し、音楽祭等の委嘱を受ける。イタリア放送協会賞、尾高賞、芸術祭優秀賞、等受賞。2000年「21世紀音楽の会」結成、代表。2008年まで東京藝大教授、現在名誉教授。