ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

古関裕而~オリンピックまで

36歳で終戦を迎えた古関裕而は、歌謡曲をはじめ、菊田一夫らの縁でNHKのラジオドラマや東宝ミュージカルの曲など次々に作曲していきました。「鐘の鳴る丘」「長崎の鐘」「高原列車は行く」など曲名だけでもその雰囲気が伝わってきます。ドラマ「君の名は」、NHK「ひるのいこい」の音楽なども古関の作曲でした。

メコン舟歌」「ゴビの砂漠」「ガンヂス河は流れる」といった歌や、東宝映画「モスラ」、ミュージカル「敦煌」の音楽などは、戦争中の中国や東南アジアでの見聞が反映しているようです。

古関自身はスポーツが苦手だったそうですが、NHKスポーツ番組「スポーツショー行進曲」や甲子園で歌われる「栄冠は君に輝く」、また「巨人軍の歌」などを作っています。そして1963年(昭和38)に作曲したのが「オリンピックマーチ」です。管弦楽版の初演は1963年6月でした。それが吹奏楽版に編曲され、翌1964年10月の東京オリンピック開会式で演奏されたのでした。もっとも管弦楽版については世間的に忘れられていますので、NHK「エール」ではオリンピックの前年に作曲していたことがちらっと触れられただけでした。

古関裕而年譜その3:1946-1964|ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ 2020-05-12
https://nipponica-vla3.hatenablog.com/entry/2020/05/12/155232

※参考
刑部芳則古関裕而:流行作曲家と激動の昭和』中公新書、2019
現代日本管弦楽作品表<1912?1980>(『フィルハーモニー』特別号(53巻9号))