山田和男作曲の『もう直き春になるだらう』の歌詞は、スコアには全部ひらがなで書いてありました。元の詩は『城左門全詩集』(牧神社、1976)に載っていなかったのですが、先日見ることのできた雑誌『詩と音楽』に掲載されていました。最初のところを引用します。
もう直き春になるだらう
城左門
もう直き春になるだらう、
水は温(ぬる)み、草は萌えて、
煙(けむり)の様な雨が降り、愛(いと)しい女(もの)よ、
もう直き春になるだらう、
(以下略)
出典:『詩と音楽』創刊号 (音楽文化協会、1938)p8
「愛(いと)しい女(もの)よ、もう直き春になるだらう」という言葉が3回でてくるのですが、ソプラノの曲だし、ひらがなで「もの」とあったので女性から男性への歌かと思い込んでいました。しかし反対なのですね。