ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

深井史郎『平和への祈り』歌詞抜粋

深井史郎作曲『平和への祈り』の歌詞(大木惇夫作)から、各部冒頭を書き抜いてみました。冒頭だけでもストーリーがわかります。

平和への祈り   大木惇夫作詞


第一部
花ありて われらをめぐり
草ありて 緑うるほす
美(うる)はしき 美はしき
あけぼのは近づけり、はや。
……


第二部
あゝ、されど、戰ひの日のをののき
今なほ こゝろに消えず、
砕(くだ)かれて、砕かれて、
籾殻(もみがら)と散りし われら。
……


第三部管弦楽のみの間奏)


第四部
久しくもうなだれしもの、
面あげて 蒼空(あをぞら)をみよ
行くところ 望(のぞ)みあり。
たゞならぬ 苦患(なやみ)の後に
よみがへる 生命(いのち)あり、
悲(かなし)みの極(きわ)まるところ
やすらひと 慰めの光あり。
……


第五部
善きかなや、よみがへるもの、
新しき生命(いのち)に
新しき果(み)をむすぶもの。
禍(わざわ)ひを福(さいわひ)に代(か)へ、
ためいきを 笑(え)まひに代へて
不死鳥(ふしちょう)と翔(か)けあがるもの。
……


出典:ヴォーカルスコア巻末