ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

移高について

 演奏会のプログラム冊子の曲目解説原稿をチェックしていたら、「移高」という言葉がでてきました。「移行」の間違いじゃないの?と指摘したら、「いえ、それでいいんです」という答え。なんとなく音楽用語のような気もしたけれど、事前に調べなかったので音楽事典を引いてみました。

いこう 移高 transposition〔英〕 Transponierung, Transposition〔独〕 異なった調への移調をいう。十二音技法の場合には無調のため、<移高>と訳される。
出典:新音楽事典・楽語(音楽之友社、1977)

 なるほど、12音技法の言葉でした。石井眞木さんはドイツに留学して12音技法をしっかり学んだので、作品にもそれが表れているのですね。
 ところで「12音技法」って、英語やドイツ語でどういうのか、同じ事典で調べてみました。

じゅうにおんぎほう 十二音技法 Zwölftontechnik〔独〕 十二音音楽特有の技法をいう。

じゅうにおんおんがく 十二音音楽 twelve-tone music (dodecaphony)〔英〕 Zwölftonmusik (Dodekaphonie)〔独〕 musique de douze sons (dodécaphonie)〔仏〕 dodecafonia〔伊〕

 そういえば芥川也寸志の書いたものの中にも「ドデカ」という言葉があったのを思い出しました。

『現代音楽に関する3人の意見』(著作:図書)http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100119/1263912027