ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

石井眞木『飛天楽』

 石井眞木『飛天生動 I』の元になったのは、次の作品です。
《飛天楽》−4舞人(舞楽)、伶楽、雅楽、聲明、打楽器群のための−作品48 1981
 この曲について作曲者は次のように書いています。

伝統音楽と現代
 このような時代の推移は、伝統音楽のみの新しい作品を創造する可能性を開いた。特記すべきは、1966年に開場された国立劇場の役割であろう。ここは日本の伝統芸術、伝統芸能−−雅楽文楽、歌舞伎などを上演する劇場であるが、聲明の法会もこの劇場で<上演>されるようになる。そして70年代に入ってから、現代の作曲家に伝統楽器のみの作品を委嘱し、発表する画期的なシリーズが始まった。黛敏郎シュトックハウゼン武満徹、エロワ、ケージ、一柳慧らがユニークな作品を発表した。これには、日本の伝統音楽がもつ、創造を拒絶するという伝承方法の特異性、そこから生ずる形骸化の危機に対する活性化、そして何より、現代における伝統とは何か、という大きな問題をも含んだものであろう。
 私もこのシリーズで、《飛天楽》(1981/Op.48)、《蛙の声明》[中略]などを創り発表した。全て、雅楽舞楽)、聲明、古代楽器を復元した伶楽、歌舞伎などによる1時間前後の大規模舞台作品である。[後略]


出典:『西の響き・東の響き』p44-46

国立劇場での公演記録 〔文化デジタルライブラリー〕 はこちら
石井眞木『飛天生動』http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20130526/1369570212
石井眞木『西の響き・東の響き』目次 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20130111/1357903203