ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

石井眞木『扇の舞』

 陳明志作曲『御風飛舞』の曲名にある「舞」は、石井眞木と深い縁のある言葉です。縁のある作品は下記などいろいろあります。

《群舞と9奏者のためのシーン》モダン・ダンス、室内アンサンブル 1962 
《響き・乱舞》−舞人(舞楽)、ダンサー(モダン・ダンス)、雅楽合奏のための 1978 作品35
『扇の舞』伊福部先生の米寿を祝う「四つの舞」第1曲 2002

 この中の『扇の舞』についての作曲者の言葉より。

 (前略)先生の作品に初めて接したのは、亡父・舞踊家の石井漠のために書かれた舞踊曲『さまよえる群像』(ピアノ曲)を弾いた時でした。1950年代、十代半ばの頃です。それ以後、やはり亡父のための舞踊曲、大管弦楽の『人間釈迦』や『交響譚詩』を、それこそ耳に胼胝(たこ)ができるほど聴きました。(中略)
 新作の『扇の舞』の扇は、“すえひろ”であり“八”であり、先生の八十八歳をお祝いするのに相応しいタイトルとしました。また、“音”とともに舞踊家による“舞”を添え、最初に伊福部作品(舞踊家)に出会った頃への思いを馳せつつ創りました。


出典:『伊福部昭米寿記念演奏会』(演奏会プログラム)p11

 そういえば伊福部先生の奥様は舞踊家でらっしゃいました。