ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2011-07-23の練習日記

 『日本の歌』に続き『呪縛』(1940)を練習しました。柴山先生曰く「速度の表示がマーラーの書き方とそっくりなところがたくさんあります」。確かに『若者のうたへる歌』(1937)にも"nichit eilen"(急がないで)、"sehr ruhig"(とても静かに)、"etwas gehalten"(いくらか落ち着いて)などなどマーラーでよく見たドイツ語の表現がたくさんありました。だんだんそれを日本語に直した書き方になっているようです。
 『呪縛』の第1楽章には「夕ぐれ時」「街の女どものうた」など、バレエの情景を示す言葉がスコアに書かれています。第3楽章は「罪僧の舞」という言葉が、山田先生のかわいい字(写真=まるでヒョウタンツギのよう)で記入されていました。ビオラはここは休みなので「私たちは清らかで罪は無いのよね」と呟きが…
 第4楽章冒頭の四分音符が続くところは「martellatoとスコアに書かれていて、“槌打つ”という意味ですから、そのように弾いてください」と柴山先生。手書きのパート譜には間違って“marcato”と書かれているものもあるらしいので要注意です。それにしても昔は楽譜作成ソフトはおろかコピー機もなかったから、オーケストラのパート譜は全部手書きでした。管楽器は各パート1部ずつですが、弦楽器はそれぞれのパート譜が何部も必要ですから、写譜屋さんは大変だったでしょう。