ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

国立シンフォニカー創立記念コンサート

 昨日の演奏会は、一橋大学兼松講堂を拠点として活動するレジデント・オーケストラ「国立シンフォニカー」の創立記念コンサートでした。大学の構内の講堂を拠点とするプロフェッショナル・オーケストラというのは聞いた事がありませんので、とてもめずらしい形かと思います。代表兼指揮者の宮城敬雄(ゆきお)さんは一橋大学の卒業生で、学生時代は一橋大学オーケストラでオーボエを吹いてらしたそうです。事業を営む傍ら音楽に親しみ、50歳を過ぎてから指揮の勉強を始め、海外でも修行した上で今回の創立となったとのことです。
 オーケストラの中心には東フィル(東京フィルハーモニー交響楽団)のメンバーがはいっている、とチラシに書いてありました。東フィルは1911年に活動を開始した「いとう呉服店」(現松坂屋)の少年音楽隊にルーツを持つ、歴史の古い楽団です。2001年には新星日本交響楽団と合併し、活動の幅を広げたことでも知られています。
 プログラムは創立演奏会にふさわしくブラームスの『大学祝典序曲』で始まり、シューマンの『ピアノ協奏曲』をはさんで同じくブラームスの『交響曲第一番』が演奏されました。情熱的な指揮ぶりにオーケストラがよく応えて、終演後はたくさんのブラボーが繰り返されました。満員の客席には大学卒業生の実業家OBの方や、著名な音楽評論家の方もみえていました。地元タウン誌『国立歩記』の編集者の方もいらしていて、このオーケストラが地域に根ざした活動を積み重ねていくことを多くの人たちが期待しているのが伝わってきました。
 終演後は友人と国立駅まで続く幅広い学園通りの並木道を歩き、洋菓子店「白十字」で一休みしてから帰路につきました。国立市のポータルサイトが充実しているのも発見でした。