ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

伊福部昭へのオマージュ

 「オマージュ」と聞くと思い出すのは、『伊福部昭のモチーフによる「讃」』です。これは1988年2月に開催された先生の「叙勲(勲三等瑞宝章)を祝う会」のために、9人のお弟子さん方が共作されたものです。ニッポニカではこの曲を2004年2月「伊福部昭文化功労者顕彰お祝いコンサート」で演奏しました。
 練習を始めるために先生のお宅へうかがい、先生に献呈されたスコアをお借りしました。その表紙には大きく「Omaggio」と書かれていたのが目に焼きついています。それを漢字一文字で「」とあらわしています。9曲の詳細は次のとおり。

9人の門弟が贈る<伊福部昭のモチーフによる「讃」>(1988)
  1. ゴジラの主題によせるバラード / 芥川也寸志
  2. Omaggio a maestro A.Ifukube / 池野成
  3. 幻の曲 / 石井眞木
  4. 狂想的変容 / 今井重幸
  5. Felicidades El Maestro! / 原田甫
  6. Homage to Akira Ifukube / 松村禎三
  7. Omaggio al maestro Ifukube / 眞鍋理一郎
  8. Gozilla is dancing / 三木稔
  9. Hommage a A.I. / 黛敏郎

 どれも2分ほどの曲ですが、同じテーマをこれほど個性豊かにアレンジされているお弟子さん方の音楽に、演奏しながら感嘆いたしました。
 演奏会が無事に終わってスコアをお返しするために、等々力のお宅へまたうかがいました。先生自らお茶を出してくださり、しばし音楽談義に花が咲きました。交友のあった深井史郎のことも話題にのぼりました。机の上に変わった形のものがあったのでお尋ねしたところ、「これは香炉です」とのお返事で、お香をたいてくださいました。その香りをまるで昨日のことのように思い出します。