ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

石井眞木と『交響譚詩』

 伊福部昭古希記念交響コンサートのプログラムに、弟子の作曲家たちから古希によせるメッセージが掲載されています。その中の石井眞木先生のメッセージから。

釈迦の手のひら   石井眞木
 十代後半、私が最も多く聴いた作曲家の一人は〈伊福部昭〉である。親父(故・石井漠・舞踊家)の仕事の関係もあった。親父のために書かれた舞踊曲「さまよえる群像」は何度も公演でピアノ伴奏を弾いたし、管弦楽のための長大な舞踊曲「人間釈迦」は、まさしく“耳にたこができる”程聴いた。しかし“SP”がすり切れるほど聴いたのは「交響譚詩」で、私のベルリン留学以前の習作には、これらの大きな影響がある。先生の門をくぐったのもこの頃で、お忙しい先生が何度も夜を徹して、私のつたない習作を見て下さった。この感激はいまだに忘れられない。(後略)

出典:『伊福部昭古稀記念・交響コンサート : 「ギリヤーク」から「ゴジラ」まで』(演奏会プログラム)


 この擦り切れるほど聴かれたSPは、山田和男指揮東京交響楽団の演奏のはず。この時期はそれしか出ていなかったとのことです。このSPはローム ミュージックファンデーションが復刻しています。

ローム ミュージックファンデーション SPレコード復刻CD集
日本SP名盤復刻選集IV
http://micro.rohm.com/jp/rmf/music4/index.html
この中の「CD4」(日本人作品1)の1曲目

 そして「ベルリン留学以前の習作」には『交響的協奏曲』も含まれるのではないでしょうか。