ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

311の仙台フィル

 本日(3/22)の日経新聞文化欄は、指揮者山下一史氏の「音楽の出番を待つ」という記事でした。

 あの日、仙台フィルのメンバーとともに地震に遭った。
 11日は午後7時から仙台市青葉区青年文化センターで演奏会の予定だった。最終リハーサルの開始時刻14分前、激しい揺れに見舞われた。ステージ裏にいた我々は一人では立っていられず、それぞれが手をのばし、支えあった。大きな横揺れが1分以上続いただろうか、いつ終るとも知れぬ揺れに生まれて初めて命の危機を感じた。
 不幸中の幸いは、降り番以外の楽員がすべてホールに集まっていたことと、リハーサルが始まっていなかったことだ。ステージマネージャーによると、ホールにあったピアノはストッパーが掛かっていたにもかかわらず大きく動き、舞台から落ちそうになるのを必死に止めたという。

 揺れが収まってから楽員たちは、降る雪の中を多くの人たちが傘もささず歩く列に加わり帰路につきました。ホールは閉館し仙台フィルの演奏会は6月まで中止だそうです。

 でも、音楽の出番は必ず来る。その時仙台フィルと地元との結びつきは、精神的な面でも今より一層強固なものとなっているだろう。
(やました・かずふみ、指揮者。1961年生まれ、84年桐朋学園大学卒、ベルリンでカラヤンに師事。86年ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。2006年から仙台フィル指揮者、09年4月同フィル正指揮者。)

 芥川也寸志は生前、仙台フィルの前身宮城フィルの音楽監督を務めていました。
東北の作曲家たち : 日本の交響作品展 8 』(演奏会プログラム)
http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100730/1280491333