ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

武満徹の本

 武満徹(1930-1996)の年譜がないかと書架を見まわしたら、彼の本が3冊並んでました。

  1. 武満徹『音、沈黙と測り合えるほどに』(新潮社、1971)
  2. 武満徹『樹の鏡、草原の鏡』(新潮社、1975)
  3. 小澤征爾, 武満徹『音楽』(新潮社、1981)

 最初の本は1974年に買いました。その年に彼の『弦楽のためのレクイエム』を演奏したのですが、日本人作品を演奏するのは初めてだったので、読んだのを思い出しました。
 改めてページを繰ってみると、巻末に秋山邦晴さん編集の詳細な年譜がついていました。最初の本には1930年〜1971年、2冊目には1971年〜1975年、3冊目は小澤征爾(1935〜)と併せて1930年〜1980年の分が載っていました。1958年までを詳しく書いてあるのは1冊目であることがわかりました。
 1958年11月のところには次のように書かれています。

11月 NHK委嘱の芸術祭参加作品として、9月、10月の2か月をかけて作曲した管弦楽のためのソリチュード・ソノール」放送初演。(2日)
 この作品により、芸術祭個人奨励賞を受賞。(指揮・外山雄三N響


「ソリチュード・ソノール」は、ひとつの鐘のひびきからつくられている。そのほか、たくさんの鐘の音をあなたの作品から聴くことができます。
 鐘は、あなたの重要なメッセージを託されている。
林 光(「告白的武満徹論」《音楽芸術》昭和42年3月号)

出典:武満徹『音、沈黙と測り合えるほどに』(新潮社、1971)p220