立花隆の大作『武満徹・音楽創造への旅』(文芸春秋、2016)を読み終わる。3月の末からひと月近くかかったが、立花隆の筆勢に圧倒され息をのみつつ、毎日少しずつメモを取りながらの充実した読書だった。武満の音楽は自分で演奏した曲以外はほとんど知らないが、戦後の日本、いえ世界の音楽界の中で特異な位置を占めていた武満の足跡が大変よくわかった。また彼を巡る同時代の作曲家や芸術家たちの歩みも同時に浮き上がってきた。さらに日本人にとっての西洋、東洋、日本の伝統などについても、鋭い発言の坩堝であった。以下、個人的な足跡をあげておきたい。
武満徹作品演奏歴
〔凡例:演奏年『曲名』(作曲年)指揮者、団体(演奏地)〕
- 1974 『弦楽のためのレクイエム』(1957)汐澤安彦指揮、上智大学管弦楽団(東京、ベルリン)
- 1995 『弦楽のための「ホゼイ・トレス」』(1958)小松一彦指揮、新交響楽団(東京芸術劇場)
- 1997 『鳥は星型の庭に降りる』(1977)飯守泰次郎指揮、新交響楽団(東京芸術劇場)
- 2007 『ノヴェンバー・ステップス』(1967)本名徹次指揮、オーケストラ・ニッポニカ(ハノイ・オペラハウス)
- 2015 『ソリチュード・ソノール』(1958)野平一郎指揮、オーケストラ・ニッポニカ(東京・紀尾井ホール)
- 武満徹・音楽創造への旅〔文芸春秋Books〕http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163904092
- 武満徹・音楽創造への旅〔Amazon〕http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%A6%E6%BA%80%E5%BE%B9%E3%83%BB%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%89%B5%E9%80%A0%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%97%85-%E7%AB%8B%E8%8A%B1-%E9%9A%86/dp/4163904093
- 武満徹の本 http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20150421/1429566772