芥川先生の管弦楽作品に『アレグロ・オスティナート』があります。これはFM東京開局15周年記念委嘱作品の交響組曲の第4楽章として1986年に作曲されたもので、他の楽章は外山雄三『こもりうた」、三枝成章『Summer』、石井眞木『秋のヴァリアンテ』です。芥川先生が初演時のプログラムに寄せた文章から引用します。
この曲は、とくに東京の何かを描写しようとしたものではありません。私のふるさとであり、これからも離れることはないであろう、わが愛する東京、そして私の心に染みついている都会というもののイメージをごく自然に描きながら、いわば“讃歌”として、また組曲の最終曲として作られたものです。
『交響曲第1番』の第4楽章を弾いていたら、ふとこの『アレグロ・オスティナート』を思い出しました。そして練習後に夜の東京をドライブしながら、芥川先生も練習の後はご自分で自動車を運転して夜の東京を疾走されていたのだなあ、と感慨に浸りました。
明日1月31日は芥川先生の御命日です。