阿部先生の指揮でドーソンをみっちり練習しました。『新世界』なら何回も演奏している人が多いので、他のパートが何をやっているかお互いだいたいわかっているのですが、ドーソンは全員が生まれて初めて接する音楽なのでなかなかそうはいきません。演奏をすこしずつ止めては、弦楽器だけとか管楽器だけとか分割して練習しました。すると目の前の楽譜に追われていた耳が、だんだん他のパートの音を聞き分けられるようになってきました。
第2楽章はじめコール・アングレが大活躍する箇所がいくつもあります。もちろん『新世界』にも有名なコール・アングレのテーマが登場するので、一つの演奏会でこんなにコール・アングレを楽しめるのはめずらしいかもしれません。
ドーソンは1934年に作曲したこの曲を、1952年のアフリカ旅行をきっかけにアフリカの音楽をとりいれて改訂しているそうです。私たちの使っている譜面は改訂後のものですが、それでもフランス音楽の響きを随所に感じられます。改訂前はどんな風だったのか興味がわいてきます。昨日は1楽章にイベールの『寄港地』に似ている箇所があると、家に昔からいるおじさんがつぶやいていたので、練習後にイベールのCDを聴いてみました。すると第1楽章練習番号17のところ(写真)、確かに『寄港地』の1曲目に出てくる旋律のような音形がありました。
イベール Jacques Ibert [仏] 1890〜1962
第1次大戦で海軍に従軍。印象主義と新古典主義の技法を生かした、フランス風エスプリの作風で広く愛好された。
■管弦楽曲
寄港地 - 3つの交響的絵画
Escales - 3 Tableaux symphonique
1.Rome - Palerme
2.Tunis - Nefta
3.Valencia
ウィリアム・リーヴァイ・ドーソンの略歴
http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20110110/1294634898