ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

コープランドの言葉 

『ナディア・ブーランジェとの対話』の中には、コープランドの発言もありました。

 先生の最も高名なる弟子の一人に挙げられるアーロン・コープランドは、1960年に刊行されたアメリカのある雑誌に、次のように書いています。
「ナディア・ブーランジェのもとで作曲を学びたい一心で何とか弟子入りの承諾を得ようと、私が初めてパリにある彼女のアパートの門をたたいてから、およそ40年あまりが経過している。だが、マドモアゼル・ブーランジェは今でも元の住所のままの当時と変わらぬそのアパートに住み、当時と変わらぬその超人的なタフさで精力的に教えているのだから、現代の若者ですら誰もが私と同じ様に門を叩くことも出来るのだ。ただし、唯一の相違があるとすれば、彼女のことを存命中で最も偉大な作曲の師と認めぬ音楽家は稀な今日に比べ、当時の彼女はパリの楽壇以外ではその名もあまり知られていなかった。」(p21)