ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

斉藤洋『ルドルフとイッパイアッテナ』

 斉藤洋著『ルドルフとイッパイアッテナ』という児童書が、教養小説として最高!というつぶやきを読んで、おもわず手にとってしまいました。昔ドイツ文学を専攻していた身には、主人公の成長過程を描いた教養小説としてはゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』がまず思い浮かぶのですが(中に出てくるミニヨンはオペラの題材で有名)、日本の児童文学にそれに匹敵するものがあるとなってはだまっていられません。銀座の教文館で見つけたのですが、手持ちのお金が足りなくて(音楽史の高い本など買ってしまったので)、近くの公共図書館で借り出して一気に読み終わったところです。

ルドルフとイッパイアッテナ / 斉藤洋作 ; 杉浦範茂絵
  講談社 : 1987
  273p
  目次: プロローグ/思いもよらぬ旅のはじまり/大きな町へ/イッパイアッテナ/魔女のすみか/ぼくはどこからきたんだろう/キョウヨウとクリームシチュー/魚屋とイッパイアッテナ/キョウヨウへの第一歩/牛乳とグシャグシャになった月/ブッチーおおいに語る/イッパイアッテナおこる/イッパイアッテナの秘密/学級文庫とキョウヨウのあるねこ/わかものは、ばかもの/トラねことクマ男/図書館と人類の進歩/くまのすみか/大発見/期待と失望、そしてまた希望/台風が、もってきたもの/イッパイアッテナの苦労話/吉報/出発の準備/だましうち/出発の朝/ふたり四十七士/あとがき

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 黒猫ルドルフと兄貴分のイッパイアッテナの、波乱万丈で最後まで手に汗握る話の展開に圧倒されました。そしてあとがきに著者は大学のドイツ語の先生とあり、キョウヨウ小説に納得。息子達が小さければ読み聞かせしたのにな、と思いました。