深井史郎『平和への祈り』の練習で杜甫(712-770)を思い出したので、漢詩の全文を載せておきます。
春望 杜甫
國破山河在 国破れて山河あり
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火 三月に連なり
家書抵萬金 家書 万金に抵る
白頭掻更短 白頭掻けば更に短かく
渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す
『平和への祈り』の詩を書いた大木惇夫が杜甫を意識していたかどうかはわかりません。彼はクリスチャンで、詩の内容も聖書の内容を連想させるようなところがいろいろあります。大木惇夫についてもすこしずつご紹介する予定です。