ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2012-03-03の練習日記

 ドイツで修行された四野見先生がブラームスをじっくり指導してくださいました。2楽章冒頭のチェロ(写真)もたっぷり。旋律、ハーモニー、リズム、すべてに神経を行き渡らせて演奏する、自分の音だけでなく周囲の音をよく聴く、そういったオーケストラの基本を丁寧に伝えてくださいました。
 1楽章44小節目、練習番号Aのところはバイオリンの旋律をビオラとチェロが和音をきざみながら支えていきます。「ここはジークフリートの『森のささやき』みたいに」と四野見先生。ワーグナーの抜粋をやったときに『森のささやき』も演奏したので、ああ、あの感じ、と即座にイメージが膨らみました。ブラームスの音楽もドイツの森の深さに育まれているのでしょう。
 終わってから久しぶりに飲み会に参加。四野見先生はブラームスの故郷ハンブルクで修行されたそうです。みんなでいろいろおしゃべりしていたら音楽家の年齢の話になり、「僕はシューベルトの年を越え、モーツアルトを越え、ベートーベンも越えてしまったとよく考えます」というチェロ弾きがいました。なんでもこのごろはベートーベンの後期の曲がよくわかるようになったとか。年を重ね、演奏経験を重ね、音楽の古典に親しむことの大切さをしみじみと味わった週末でした。