ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

山田和男とオークラウロ

 山田先生は『木曽』を作曲した1939年(昭和14)に、オークラウロのための曲も作っています。オークラウロというのは尺八の歌口にフルートのキー・システムを付けた金属製の縦笛で、大倉喜七郎(おおくら・きしちろう、1882-1963)男爵が創案したものです。山田先生が作曲した経緯を、今日おじさんビオラが教えてくれました。

 中能島欣一や平尾貴四男などの和洋両系統の作曲家たちがこの楽器のための曲を書いてるわ。それから、昭和14年9月には、当選曲100円という賞金付きの作品公募もしたの。このとき、四曲当選するんだけれど、その作曲家のなかには指揮者として有名な山田一雄(当時は本名の和男)もいたのよ。


出典:千葉優子著『日本音楽がわかる本』音楽之友社、2005、p18
WebcatPlusのデータ:http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/5334059.html
写真は17ページに掲載されている、オークラウロの雑誌広告

 現在大倉集古館で開催中の展覧会で、オークラウロの試作品などが展示されているそうです。

大倉喜七郎と邦楽 ―“幻の竪笛”オークラウロを中心に
大倉集古館>展覧会・イベント>開催中の展覧会
2011年8月2日(火)〜9月25日(日)
http://www.shukokan.org/exhibition/index.html#link01

 この展覧会には山田先生の演奏会プログラムも出品されているそうなので、ぜひ行ってみたいと思っています。