ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

新交響楽団第138回演奏会(演奏会プログラム)

 芥川也寸志『交響三章』を次に演奏したのは作曲者没後の1992−93年の冬でした。11月に合宿先の鹿島にある清真学園での演奏会と、東京駅エキ・コン、1月に138回演奏会、2月には田園ホール・エローラでも『交響三章』を演奏しました。

◆書誌データ

交響楽団第138回演奏会
 新交響楽団, 1993.1.30
 [12]p ; 26cm
 注記: 演奏会プログラム ; 日時・会場: 1993年1月30日(土)19:00開演・東京文化会館(東京・台東区) ; 曲目:
  幻想序曲「ロメオとジュリエット」 / チャイコフスキー
  交響三章 / 芥川也寸志
  交響組曲シェエラザード」 / リムスキー=コルサコフ

 出演: フランシス・トラヴィス(指揮), 新交響楽団(管弦楽) ; 主催: 新交響楽団
 内容: 芥川也寸志:交響三章 / 奥平一
    他

 『交響三章』の曲目解説より抜粋。

 芥川が伊福部昭に師事し、決定的な影響を受けたことはよく知られている。伊福部は作曲の原点を民族の特性に置くことこそ、作品が民族を超えた普遍性を得る道であると説いている。3代続いた江戸っ子である芥川は、この作品の中に江戸祭り囃子のリズム(雅楽ではなく!)や、都会的な空気を感じさせるいくぶんユーモラスで軽快なリズムと響きを取り込み、土俗的な師の作品の影響を見せながらも、自己の原点を明確に表現した。

 このシーズンの3回の指揮はフランスシス・トラビス先生(写真)。1921年米国生まれでスイスに帰化したトラヴィス先生は、ヨーロッパ各地で指揮者として活躍後、1990年より東京芸術大学指揮科客員教授として来日。新響とは1991年4月にスクリャービン交響曲第2番』、1992年1月にベルク『ヴォツェック』より3つの断章ほかを客演。芥川作品の演奏では外国人の方に日本人作品を指揮していただいた貴重な演奏会でした。
 このシーズン最後の演奏会詳細は次の通り。

芥川也寸志メモリアル・コンサートI. 交響楽作品の夕べ
http://d.hatena.ne.jp/nipponica-vla3/20100302/1267541872