ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

ウィリアム・リーヴァイ・ドーソンの略歴

 アメリカのエモリー大学にドーソンのアーカイヴがあることを知人が知らせてくれたので、その中からドーソンの略歴をざっと翻訳してみました。拙い訳ですが原文サイトも載せておきますので参照下さい。

ドーソン略歴
 ウィリアム・リーヴァイ・ドーソン(William Levi Dawson, 1899-1990)(アフリカ系アメリカ人の作曲家、指揮者、および教育者)は、ジョージ・W.ドーソンとイライザ・スターキー・ドーソンの7人の子供の長男として、アラバマ州アニストンで生まれました。彼は13歳のときに家を出てタスキギーInstituteに進学しましたが、農業事業部で次の7年間働くことで授業料を得たのでした。そしてフランク・L.Dryeの指導するInstituteバンドとオーケストラに入り、ほとんどの楽器の演奏法を学びました。さらにジェニー・チーザム・リー指導のInstitute Choirに加わり、タスキギーSingersとInstituteバンドとオーケストラと共に広範囲に旅行しました。1921年に卒業し、カンザス州トピーカのウォッシュバーン大学でヘンリー・V.スティアンズの元、作曲とオーケストレーションを学びました。またミズーリ州カンザスシティーのホーナー芸術大学で、Regina G.HallとDr.カール・ブッシュに師事して4年間理論と対位法を学び、1925年に音楽学士号を得て卒業しました。1927年にはシカゴのアメリカ音楽院から作曲での音楽修士号を授与されました。

 1921年にドーソンはトピーカのカンザス職業大学で音楽教師になりました。翌年にはミズーリ州カンザスシティーのリンカーン高校で音楽教師になりました。シカゴで研究している間、彼はシカゴの主要な聖歌隊の1つの指導者になり、シカゴ市民オーケストラで一番トロンボーンを吹きました。1927年に彼はコルネリャ・Lamptonと結婚しましたが、彼女は1年足らずの後に亡くなりました。1935年9月1日に彼はジョージア州アトランタでセシル・Demae・ニコルソンと再婚しました。

 1930年秋に彼はタスキギーInstituteから、音楽学校を組織し指導するために帰ってくるよう誘われました。管理職の仕事のほかにドーソンはタスキギーInstitute Choirを指揮しました。彼のリーダーシップの下で合唱団は、1932年ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージックホールの杮落としに出演し、ハーバート・フーバー[第31代大統領]とフランクリン D. ルーズベルト[第32代大統領]のために歌いました。1946年には長年の民族間の障害を越えてワシントンDCの憲法ホールで公演した最初のアフリカ系アメリカ人の合唱団となりました。タスキギーInstitute Choirの演奏旅行スケジュールは多忙を極めたにもかかわらず、ドーソンはしばしば海外を旅行しました。1952年には1年間の研究休暇をとって西アフリカを旅行し、シエラレオネリベリアゴールドコースト(現在のガーナ)、ナイジェリア、セネガル、およびダオメー(現在のベナン)を訪れました。1956年に合衆国国務省から、アフリカ系アメリカ人霊歌の伝統で地元の聖歌隊を指導するためのスペインツアーに招聘されました。その同じ年に彼は、タスキギーInstitute音楽部での25年間のリーダーシップから引退しました。

 ドーソンには「Forever Thine」(1920)や「Out of the Fields」(1930)など多くの独創的な作曲と編曲作品があり、最も有名な「黒人民謡交響曲」はレオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団により1934年に初演されています。また、タスキギーChoirのディレクターとしての彼の在任中、ドーソンは「King Jesus is a-Listening」「There Is a Balm in Gilead」「Ezekiel Saw de Wheel」など多くのアフリカ系アメリカ人霊歌を編曲しました。また彼は自分の音楽作品の出版ビジネスを始め、Music Press社で編曲作品を印刷しました。

 彼は90歳のときに1990年5月2日にアラバマ州モンゴメリで亡くなりました。


出典:Biographical note, Collection description, Descriptive summary, "William Levi Dawson Papers, 1903-1990", MARBL (Manuscrpt, Archives, & Rare Book Library), Emory University
http://findingaids.library.emory.edu/documents/dawson892/?keywords=Dawson

(2011.01.28データ修正)(2013.11.28リンク先URL修正)