ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

8月13日

 8月13日は私にとって忘れがたい日です。1991年のこの日、指揮者の山田一雄先生が79歳で亡くなられました。7月の演奏会で指揮していただいたばかりでした。数日後に四ッ谷の聖イグナチオ教会で葬儀が執り行われ、教会からあふれた参列者の上には、激しい蝉時雨が降り注いでいました。翌年追悼演奏会を行い、2001年には没後10年の演奏会を開催しました。先日の演奏会でとりあげた3曲のうち、『寒帯林』と『平和への祈り』の初演は山田先生の指揮でした。
 没後10年の1年前、2000年の奇しくも同じ8月13日に、私たちの大切な友人であった上原誠さんが不慮の事故で亡くなられました。上原さんは山田先生の熱烈なファンで、先生の音楽を長い間聴き続け、年譜を雑誌『音楽現代』に掲載するほどデータを収集されていました。その年譜データは先生の没後10年の演奏会プログラムに再録しました。また上原さんは伊福部昭ほか日本人作曲家の作品についても造詣が深く、演奏会プログラムに曲目解説や各種データを載せておられました。そのほかにもオペラや文楽、邦楽にも詳しかった上原さんの書斎には、各種資料がきちんと整理されて並べられていました。それらの資料はいまもそのまま置かれているそうです。
 毎年8月13日がくると、激しい蝉時雨と、整理された書斎を思い出します。