ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2010-07-17の練習日記

 『大陸の歌』をまずじっくり。練習を重ねてきたのでアンサンブルの微妙な綾もかなり消化してきた感じがします。欠席のパートの音も聴こえてくるような。トレーナーの柴山洋先生は本番ではコール・アングレで出演されるので、ご自分のパートは歌ってらっしゃいました。柴山先生は世界的なオーボエ奏者ですが、深井史郎の音楽の最高の理解者といっても過言ではないでしょう。今回の『大陸の歌』と『平和への祈り』のスコアを校訂してくださり、パート譜も作成してくださいました。
 『平和への祈り』は第4部から。ここは激しかった戦いのあとですこしずつ自然が甦る場面を、まずテノールが歌い上げます。歌の参加する練習はまだ先ですが、パート譜に歌詞を書き込んであるので場面が目に浮かびます。

久しくもうなだれしもの。
面(おも)あげて蒼空(あおぞら)をみよ
行くところ望みあり。

 そして「春は来て 緑つのぐみ」の場面が過ぎ、最後は4人のソリストと合唱の歌が深く静かに曲を収めます。

このうつつ……
この今の
暗さを哭(な)かず、
憂ひをいはず、
みづからの培(つちか)ひの清水うるほす
美しき心もて
あがなはむのみ
祈りつつ
この今を越えむ。

 第5部は朗々とした合唱とオーケストラが様ざまな掛け合いをみせる曲です。第九に似ていると思っていたら、「これは菅原明朗でしょ」と言われ、そういえばそうよね、と思い直しました。深井史郎は菅原明朗に師事していました。