ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

2010-03-07の練習日記

オルフェは4人のソリストのみなさんが息のあった素晴らしい歌唱を聴かせてくださいました。青年役の黒田博さんは、1994年サントリーホールでの『ヒロシマのオルフェ』公演でも同じ役を歌っておられ、堂に入った役作りを堪能させていただきました。娘/看護婦役は当代きってのプリマドンナ腰越満美さんで、私の左隣の若いビオラ弾きは聴きほれたあげく何度も音を間違える始末。
娼婦/巫女役の加賀ひとみさんはいかにもそういう見事な役作りでした。第一場の鏡の出てくる所の「あんたは手鏡を受け取った」「あんたは街灯のそばに歩いていく」という台詞のところは、弦楽器の四分音の演奏と台詞が交互に出てきて、鏡のゆがんだ感じが次第にあらわになってきました。
第七場で医師と青年が麻酔注射をめぐって、青年「いやだ、いやだ!」医師「大丈夫だ、幻覚が起こったんだ」というところがあります。ここで青年役の黒田博さんが「あ、まちがえちゃった、ごめん」とおっしゃったところ、すかさず医師役の吉田伸昭さんが「大丈夫!」と応えられたので一同爆笑!
暗黒世界の合唱団が「それよりは死を!」と不気味に歌うところで、右隣のおじさんビオラは「それよりはビールを!」と、早くも宴会モードでありました。