ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

大江健三郎著『死者の奢り』『飼育』

ヒロシマのオルフェ』の台本作者である大江健三郎(1935-)の、初期の2作品を読みました。『死者の奢り』は1957年、『飼育』は1958年の発表で、著者22〜23歳の作品です。彼の小説を読むのは初めてでしたが、題材の斬新さ、確かな文章力、ゆるぎのない視点、とてもその年代の青年の作とは思えない見事なものでした。『飼育』は1958年の第39回芥川賞受賞作で、その縁で芥川先生と接点ができたのかも、と勝手に想像しています。『ヒロシマのオルフェ』の元の作品『暗い鏡』(原題『青年のオルフェ』)の作曲開始は1959年ですので、そのテキストもその時期に書かれていることになります。