ニッポニカ・ビオラ弾きのブログ

芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカのビオラ弾きのブログです

野平一郎『ある科学者の言葉』の歌詞

 この作品の歌のテキストは、『アインシュタイン150の言葉』からとられています。この本はアインシュタインの語った言葉から150を選び、次の8つのカテゴリーに分けて並べられていて、1番から150番まで番号が振られています。カテゴリーの後ろの数字が言葉の番号です。(カテゴリーの番号は便宜的にふったものです)

アインシュタイン150の言葉』

  1. わたし、そして、わたしのまわりの人について【1-15】
  2. 人生について【16-42】
  3. 哲学、そして、人間性について【43-62】
  4. 自然科学とその研究について【63-89】
  5. 倫理、道徳、宗教について【90-104】
  6. 学習、教育について【105-115】
  7. 政治、戦争、平和について【116-130】
  8. ふたたび、わたし自身について【131-150】

 野平作品では、最初に作曲者がアインシュタインの言葉について概要を述べています。続いておよそこの本の順番に、カテゴリーの1、2、4、6、7、8から19の言葉を抽出したものが歌われます。最初の歌は次の通り。

わたしは天才ではありません。ただ、人より長くひとつのことにつき合ってきただけです。
(原文)I am not a genius. I have only kept at one thing longer than the other people.

 後半には次の言葉もあります。

最も大切なのは、個人に対する、社会や国家の寛容さです。
(原文)The most important thing is the tolerance of society or nation to the individuals.

 そして次の言葉も。

ローズベルト大統領に原子爆弾を造るようにすすめる手紙に署名したとき、わたしは人生において大きな過ちを犯しました。
(原文)When I signed a letter to President Roosvelt for suggesting a production of an atomic bomb, I have made my biggest mistake in my life.

原著:Bite-size Einstein : quotations on just about everything from the greatest mind of the twentieth century / compiled by Jerry Mayer and John P. Holms (New York : St. Martin's Press, c1996)